COLUMN

コラム

経営者が不動産投資で失敗しない7つのポイント|節税目的の落とし穴と対策

経営者が不動産投資で失敗しない7つのポイント|節税目的の落とし穴と対策

監修:ハウスバード株式会社(旅館/ホテルの開業支援コンサルティング)
空き家・遊休不動産を旅館業許可付きの収益施設としてプロデュースする一気通貫支援を提供。

公開日:2026年8月10日/更新日:2026年8月10日

※本記事は税制の一般的な仕組みを解説するものです。具体的な税額や適用可否は個別事情によって異なるため、最終的な判断は税理士にご確認ください。本文中の税制は記事公開時点の法令等に基づきます。

節税目的の不動産投資でつまずく経営者は少なくありません。原因の多くは「節税額」だけを見て、キャッシュフローと出口(売却)を軽視することにあります。

本記事では、損益通算・デッドクロス・譲渡所得税など7つの注意点を税務の一次情報付きで整理し、収益と出口が取れる物件の選び方までわかりやすく解説します。

なぜ経営者の不動産投資は「節税目的」で失敗するのか

経営者の不動産投資が失敗する最大の原因は、節税効果だけに目を向け、物件本来の収益性や出口戦略を十分に検討しないまま購入してしまうことです。

節税は税金がゼロになる仕組みではありません。減価償却による節税は、将来の売却時に課税される可能性まで含めると、税負担を将来へ繰り延べる効果という側面があります。一方で、損益通算や所得税率の違いなどにより、実質的な税負担の軽減につながるケースもあります。そのため、「節税できる」という言葉だけで投資判断をするのは適切ではありません。

また、不動産投資でよく語られる節税の中心は、減価償却費などを必要経費として計上し、不動産所得の赤字を給与所得や事業所得などの黒字と損益通算することで課税所得を抑える仕組みです。ただし、損益通算が認められるのは、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得など一定の所得に限られ、赤字の内容によっては通算できないケースもあります。

こうした制度を理解しないまま、「節税になるから」という理由だけで手元資金が減り続ける物件を購入すると、節税によるメリット以上に資産を失う可能性があります。不動産投資は、節税を目的にするのではなく、毎年のキャッシュフロー、長期的な収益性、そして将来の売却まで見据えた出口戦略を含めて判断することが重要です。

出典:国税庁「No.2250 損益通算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm

そもそも「不動産投資=節税」はどこまで本当か

不動産投資の節税とは、減価償却などの経費で不動産所得を圧縮し、損益通算によって全体の課税所得を下げる仕組みのことです。効果が出るかどうかは、所得水準・物件の減価償却の取り方・保有期間によって変わり、誰にでも当てはまるわけではありません。

減価償却は、建物の取得費を法定耐用年数にわたって各年の経費に配分していく手続きです。取得時に全額を経費にできるわけではなく、期間を通じて少しずつ費用化される点が、節税効果の持続期間を左右します。

出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm

サラリーマン向けの失敗談と、経営者・法人の失敗はどう違うか

「失敗事例5選」型の記事の多くは、サラリーマンが区分マンションを買って赤字になるケースを前提にしています。しかし、経営者・オーナー社長は所得水準が高く、法人名義の活用や役員報酬との調整、売却時の税率など、判断すべき論点が個人とは異なります。

そのため、経営者が見るべき注意点は「営業トークで区分マンションを買って後悔した」という話にとどまりません。損益通算の限界、数年後に訪れるデッドクロス、売却時の譲渡所得税といった、時間軸を含めた設計が失敗回避の鍵になります。

経営者が不動産投資で失敗しない7つの注意点

以下の7点を外さなければ、節税目的の典型的な失敗はほぼ回避できます。順に、判断軸をセットで確認してください。

注意点①:節税額より「キャッシュフロー」で判断する

最初に見るべきは節税額ではなく、毎年の手残り現金(キャッシュフロー)です。帳簿上の赤字(節税)と、実際に口座に残る現金は別物だからです。

減価償却は現金支出を伴わない経費のため帳簿は赤字にできますが、ローン元金の返済は経費にならず現金は出ていきます。結果として「節税できているのに現金が減る」状態が起こり得ます。節税額を上回る持ち出しが続けば、投資として成立しません。

出典:国税庁「No.1370 不動産所得の課税のしくみ(必要経費)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm

注意点②:損益通算・経費計上の「使える範囲」を誤解しない

損益通算は万能ではなく、通算できる所得と原因が限られています。想定より課税所得を圧縮できないことがあるため、事前に範囲を確認する必要があります。

損益通算の対象は不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つに限られます。さらに不動産所得の赤字のうち、土地取得のための借入金利子に対応する部分などは通算対象から外れます。海外勤務などで非居住者となる期間は、そもそも国内の給与と通算できないケースもあります。

注意点③:利回りの高さ・営業トークだけで物件を選ばない

表面利回りの高さや「節税になります」という営業トークだけで物件を決めないことが重要です。数字の見栄えと、実際に稼げるかは別だからです。

見るべきは、管理費・修繕・空室を差し引いた実質利回りと、その地域に本当に賃貸・宿泊の需要があるかです。需要のない立地では、利回りの前提そのものが崩れます。収益性を客観的な分析で確かめてから判断してください。

注意点④:数年後に来る「デッドクロス」を織り込む

デッドクロスとは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回り、帳簿は黒字なのに現金が回らなくなる状態のことです。節税目的で中古物件を短い耐用年数で償却するほど、早く訪れやすくなります。

ローン返済のうち元本部分は経費になりません。一方、減価償却費は耐用年数が終了すると計上できなくなり、さらにローン返済が進むにつれて利息も減少するため、経費として計上できる金額は年々小さくなります。

経費が減れば課税所得が増え、納税額が上がる一方でローンの元本返済で現金は出ていく、この交差点がデッドクロスです。購入前に自己資金を厚くする、減価償却期間の長い物件を選ぶ、購入後は繰り上げ返済や借り換えで備えるといった対策を、買う前から設計しておきます。

注意点⑤:出口(売却)の譲渡所得税・売却タイミングを最初に決める

購入前に、いつ・いくらで売るかという出口を決めておくことが失敗回避に直結します。節税で経費化した分だけ売却時の帳簿価額が下がり、売却益(譲渡所得)とそれにかかる税が増えるためです。

土地・建物の譲渡所得は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。5年以下の短期譲渡は税率が約39.63%、5年超の長期譲渡は約20.315%で、その差は約19ポイントに達します。保有中の節税だけを見て短期で売ると、出口で重い税負担が待つことになります。

出典:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm

出典:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm

注意点⑥:法人名義のメリットと注意点を正しく比べる

法人名義には個人にない利点がありますが、コストも伴います。両方を並べて、自社の所得規模で有利かを判断します。

法人の青色欠損金は、原則として10年間繰り越して将来の黒字と相殺できます(個人の純損失の繰越は原則3年)。法人では事業に必要な支出を経費計上しやすく、所得分散なども検討できます。一方、赤字でも法人住民税の均等割がかかり、設立・維持コストや社会保険の負担も生じます。所得が一定以上でなければ、法人化のコストが節税効果を上回ることもあります。

出典:国税庁「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5762.htm

注意点⑦:節税に強い顧問税理士・パートナーを選ぶ

税務の専門家と、物件の収益・出口まで見る事業者は、役割が違います。両方を分けて選ぶことが、判断の精度を上げます。

顧問税理士は、不動産・経営者の税務に実績があるか、損益通算や法人化の相談に具体的に答えられるかで選びます。物件については、市場調査・収益性分析・出口設計までを一気通貫で支援できる事業者かどうかを確認します。「節税になります」だけを繰り返す相手は避け、数字の裏づけを示せるパートナーを選んでください。

節税目的の区分マンションと、収益と出口を重視した1棟貸しの違い

経営者の失敗の多くは、「節税だけを狙う区分マンション」に集中しています。これに対し、実需(宿泊需要)と出口を前提に設計された旅館業許可付きの1棟貸し宿泊施設は、そもそも選ぶときの判断軸が異なります。

比較表|区分マンション(節税目的型)と旅館業許可付き1棟貸し

同じ「不動産投資」でも、収益の源泉や出口の作り方が異なります。下表で判断軸を整理します。

判断軸 区分マンション(節税目的型) 旅館業許可付き1棟貸し 民泊(住宅宿泊事業)
主な収益源 家賃収入+節税(繰り延べ) 宿泊収入(実需) 宿泊収入
稼働の制限 賃貸需要に依存 通年営業が可能 年間180日まで
出口(売却) 需給・築年で価格が下落しやすい 収益物件として売却も自己利用も可など複数選択肢を持ちやすい 住宅として売却が中心
主なリスク 空室・デッドクロス・値下がり 稼働率・運営体制 営業日数の上限
向く人 給与所得の高い個人 実需と出口を重視する経営者 自己利用と兼用したい人

民泊(住宅宿泊事業法の届出)は年間180日という営業日数の上限があり、投資として通年で稼ぐには制約になります。一方、旅館業許可を取得した施設は営業日数の制限がなく通年稼働が可能です。「民泊」と一括りにされがちですが、旅館業許可付きの物件は制度上まったく別の枠組みです。

出典:観光庁「民泊制度ポータルサイト minpaku(住宅宿泊事業法の概要・180日制限)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html

旅館業許可付き1棟貸しは、どんな経営者に合うのか・合わないのか

実需(宿泊需要)のある立地で、収益と出口の両方を取りたい経営者には、旅館業許可付き1棟貸しが向いています。自己利用と収益化を両立でき、収益物件としての売却という出口も設計できるためです。

一方で、まったく手をかけずに完全放置で運用したい人や、短期の転売益だけを狙う人には向きません。宿泊事業である以上、稼働率や運営体制の設計が必要で、そこを外すと収益は上がりにくくなります。メリットだけでなく、こうした向かない条件も踏まえて検討してください。

ハウスバードが選ばれる理由(一気通貫・実績・グループ信用力)

ハウスバードは、物件探しから開業後の運営までを1社でカバーする一気通貫のプロデュースを強みとしています。市場調査・競合分析・収益性分析を含めて設計するため、「節税だけ」に偏らない収益と出口の両立を前提に検討できます。

同社はこれまで全国で60棟の宿泊施設をプロデュースし、受注・相談件数は2万件を突破しています(いずれも2024年12月時点)。「1日から貸せる家」として、オーナーの自己利用と収益化を両立する設計を提供してきました。事実として実績を示す一方、稼働は立地・運営次第である点も含めて相談することをおすすめします。

出典:PR TIMES/ハウスバード株式会社「受注・相談件数が2万件を突破(全国60棟プロデュース、2024年12月25日)」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000035881.html

経営者の不動産投資と節税に関するよくある質問(FAQ)

Q. 不動産投資は本当に節税になりますか?

A. 条件次第です。減価償却などの経費で不動産所得を赤字にし、損益通算で課税所得を下げる仕組みですが、多くは課税の繰り延べであり、キャッシュフローがマイナスなら節税額以上に資産が減ることがあります。

Q. 節税目的だけで買うと何が起きますか?

A. 数年後にデッドクロスが来て現金が回らなくなったり、売却時に譲渡所得税が重くのしかかったりします。節税単体でなく、収益と出口を合わせて判断することが必要です。

Q. 法人名義と個人名義はどちらが有利ですか?

A. 所得規模によります。法人は欠損金を原則10年間繰り越せるなどの利点がある一方、赤字でも法人住民税や維持コストがかかります。一定以上の所得がなければ、コストが節税効果を上回ることもあります。

Q. デッドクロスは避けられますか?

A. 完全に避けるより「織り込む」ことが現実的です。自己資金を厚くする、減価償却期間の長い物件を選ぶ、購入後に繰り上げ返済や借り換えで備えるといった対策を、購入前から設計しておきます。

Q. 旅館業許可付き1棟貸しと民泊は何が違いますか?

A. 営業日数が違います。民泊(住宅宿泊事業)は年間180日までですが、旅館業許可を取得した施設は通年営業が可能で、投資としての収益性を確保しやすい枠組みです。

Q. ハウスバードの費用はいくらですか?

A. コンサルティング費用やサービス単価は公式サイトに掲載がなく、問い合わせ対応となっています。収益性分析を含めた相談は、問い合わせフォームから確認できます。

まとめ|『節税』ではなく『収益と出口』で選ぶ

7つの注意点に共通するのは、節税額の大きさではなく、毎年のキャッシュフローと売却時の出口で判断するという視点です。ここを押さえておくと、節税目的の典型的な失敗を防ぎやすくなります。

検討中の物件に、次の7点を当てはめてみてください。

  • 節税額ではなくキャッシュフローで判断しているか
  • 損益通算・経費計上の使える範囲を正しく理解しているか
  • 表面利回りや営業トークだけで選んでいないか
  • デッドクロスを購入前から織り込んでいるか
  • 出口(売却時期・譲渡所得税)を最初に決めているか
  • 法人名義のメリットとコストを自社の所得で比べたか
  • 税務と物件を、それぞれ実績あるパートナーに相談しているか

次の一歩として、まずは検討中の物件を「節税額」ではなく「毎年の手残り現金」と「売却時の出口」という視点で見直すことです。そのうえで、税理士や宿泊事業の専門会社へ相談し、収益性・税務・出口戦略を総合的に検討することをおすすめします。

ハウスバードでは、民泊投資を単なる節税対策ではなく、「収益性」「資産価値」「出口戦略」まで含めた事業設計としてご提案しています。物件選定から市場調査、収支シミュレーション、旅館業許可の取得支援、開業・運営サポートまで一気通貫で対応し、必要に応じて提携税理士をご紹介することで、税務面も踏まえた検討を進めることが可能です。

収支計画と税務を一体で設計することで、目先の節税だけにとらわれない、長期的なキャッシュフローと資産形成を見据えた投資判断をサポートします。

トップページ
お電話 お電話
お問い合わせ
別荘を売りたい

お電話はこちら

03-6661-6025