ゲストハウス成功のポイントとは?具体的な経営テクニックを紹介!
現在はゲストハウスがブームを迎えており、全国各地でゲストハウス経営を始める方が増え続けています。
しかし、ゲストハウスも他のビジネスと同様に、全ての方が成功できるわけではありません。
成功を収めるには、相応の経営知識・スキルを身に付けてゲストハウスを運営することが非常に重要です。
当記事では、当記事では、ゲストハウスの特性・顧客ニーズを踏まえつつ、実践的な経営テクニックをご紹介していきます!
これからゲストハウス経営を始める方や、現在経営上の課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
ゲストハウスとは?施設の定義・分類を解説
宿泊施設にはさまざまな種類がありますが、ゲストハウスの経営を行うのであれば、自身が運営する施設の定義・分類についてまず知っておくことが重要です。
ゲストハウスは、明確な定義はありませんが、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」である旅館業に分類されます。そのため、営業を行うには、旅館業法の許可が必要です。
旅館業には、大きく分けて次の4種類があります。
・ホテル営業
様式の構造・設備にて営業を行う形態。
・旅館営業
和室構造・設備にて営業を行う形態。
・簡易宿泊所営業
多人数で共用する宿泊場所を設けて営業を行う形態。
・下宿営業
1ヶ月以上の期間を単位として宿泊させる営業形態。
ゲストハウスは、上記のうち簡易宿泊所営業に属します。
ゲストハウスは、よく一般の民家を宿泊用に提供する民泊とよく混同されますが、こちらは営業形態により旅館業法・国家戦略特区法・住宅民泊事業法のいずれかに基づき営業される施設となります。
民泊についても明確な定義は存在しておらず、旅館業法に基づき営業される施設の場合はゲストハウスと同等に扱われるケースもあります。
ゲストハウスが持つ特徴・メリット
ゲストハウスには、他の宿泊施設とは大きく異なる独特の特徴・メリットがあります。経営を成功させるには、これらの特徴・メリットを最大限発揮すべきです。
ここでは、ゲストハウスが持つ主な特徴・メリットについて解説します。経営の知識的地盤を固めるためにも、ぜひ参考にしてみて下さい。
共用リビング
ゲストハウスの醍醐味は、他の利用者と気軽に交流が持てること。そのためのメインスペースとなるのが共用リビングです。
どのゲストハウスにもほぼ必ず設けられており、利用者がくつろいだり談笑したりしやすいように、椅子・テーブル・ソファなどが設置されています。
共用リビングの雰囲気はゲストハウスによってさまざま。ゲストハウス独自のカラーやコンセプトが最も現れるスペースであるため、経営者にとっては共用リビングの雰囲気作りも重要な仕事のひとつとなります。
ドミトリー
多くのゲストハウスでは、ドミトリーと呼ばれる相部屋形式の部屋をメインに提供しています。男性専用・女性専用・男女混合どの形式で提供されるかはゲストハウスによって異なります。
ドミトリーのメリットは、個室と比べて圧倒的にコストパフォーマンスに優れていることや、共用リビングと同じく他の宿泊客との交流が持てること。
ドミトリーの部屋割り・レイアウト・居住性をどのように決定するのかも、ゲストハウス経営上のポイントとなります。
素泊まりから利用可能
ほとんどのゲストハウスは、食事等のサービス抜きの素泊まりから利用することが可能。宿泊費を抑えるために素泊まり目当てでゲストハウスを利用する方は非常に多くいます。
そのため、素泊まりのプランは必ず用意することや、プライシングを慎重に行うこと、連泊による割引などプランに幅を持たせることが重要となってきます。
素泊まりはゲストハウスの代表的な特徴ともいえるため、ゲストハウス経営を行うのであれば十分な検討を行っておく必要があります。
外国人利用者が多い
地域や施設形態にもよりますが、ゲストハウスは外国人バックパッカーを中心とした外国人利用者が多いのが特徴です。国内の宿泊客は、ゲストハウスを利用することで気軽に外国人との交流を持ったり外国気分を楽しんだりできるため、そのメリットを目的に利用するケースも多くあります。
ゲストハウス経営者としては、このような利用者傾向を踏まえたサービスを提供することも経営上の重要なポイントとなります。
ゲストハウス毎の特有のサービス
ゲストハウスはオーナーの趣味・嗜好が色濃く現れるのも特徴のひとつ。ゲストハウス毎に異なる独自のサービスを楽しむことができます。例えば、次のようなサービスがあります。
・併設されたカフェ・バー
・カードゲーム・ボードゲーム
・自転車レンタル
・観光案内
・誕生日・ウェディングサービス
ゲストハウス特有のサービスに惹かれて利用する顧客も多いため、ゲストハウスを経営するうえでは独自のカラーやコンセプトを打ち出せるポイントとなります。
顧客のニーズを把握しよう
ゲストハウス経営において重要なポイントは、顧客が喜ぶサービスを提供して顧客満足度を高めることです。そのためには、顧客がゲストハウスに求めるニーズを把握しておくことが重要。ここでは、ゲストハウスの主な顧客ニーズについてご紹介していきます。
宿泊コストをかけたくない
ゲストハウスはホテル・旅館・民泊等の宿泊施設と比べても圧倒的にリーズナブルな料金で宿泊できるのが特徴。素泊まり1泊2,000~4,000円程度で利用することが可能です。
そのため、宿泊コストをかけたくないバックパッカー・旅行者・若年層から高い人気があります。
宿泊コストの安さは顧客がゲストハウスに求める代表的なニーズであるため、経営戦略を考える際には留意しておく必要があります。
宿泊者同士の交流を楽しみたい
共用リビングやドミトリーで他の宿泊客と気軽に交流できるのがゲストハウスの魅力。他の宿泊施設ではまず考えられないでしょう。
旅先での出会いを楽しみたい方やコミュニケーションを楽しみたい方など、宿泊客同士の交流を目的にゲストハウスを利用するケースは多くあります。
外国人が多く集まるゲストハウスでは、多国籍交流目当てで利用する方も珍しくありません。
周辺地域の情報収集
地域に根差した宿泊施設であるゲストハウスでは、周辺地域の情報に詳しいオーナーやスタッフからさまざまな情報を教えてもらえるのが特徴。地元の方しか知らないような穴場の観光スポット・美味しい飲食店・目的地までの道のり・混雑状況など良質な情報を集めることができます。
旅先・滞在先で充実した時間を過ごす情報を積極的に得るために、ゲストハウスを好んで利用する方は多くいます。
ニーズを踏まえた経営戦略を立案しよう!
顧客ニーズには上述のようなものがありますが、各ゲストハウスによってどのようなニーズが見込めるのかは異なります。そこで重要となるのが、自身が経営するゲストハウスに求められる顧客ニーズを踏まえたうえで経営戦略を立案することです。
ここでは、実際に経営戦略を立案する具体的な方法についてご紹介します。
ターゲット・コンセプト設定
ゲストハウスの経営戦略においてまず考えることは、ターゲットとコンセプトを設定することです。小規模宿泊施設であるゲストハウスはスモールビジネスであるため、あらゆる客層・あらゆるサービスを網羅するよりも的を絞った方が効果的にビジネスを展開できるためです。
ターゲット・コンセプトは、例えば以下のような内容について検討を行います。
ターゲット設定
主にターゲットとする年齢・性別・世代を想定。
外国人利用者は多いか少ないか
コンセプト
自ゲストハウスならではの強みは?
差別化に繋がるポイントは?
将来的な理想像は?
価格帯は?(低単価or高単価)
個室・ドミトリーの比率は?
どのような世界観を演出するか?
ターゲット・コンセプトの設定は経営戦略の原点であり自ゲストハウスの方向性を決定づけるものであるため、徹底的に突き詰めておきましょう。
ターゲットに合わせた集客を検討
ゲストハウスは1人あたりの客単価が低いため、いかにたくさんの顧客を集めて稼働率を高めるかが重要。そのためには、集客施策を行い多くの人に自ゲストハウスを知ってもらう必要があります。ゲストハウスの主な集客手段としては、次のような方法があります。
・アプリ
エアビーアンドビー等。利用者が多く無料で掲載することが可能。
・予約サイト
集客と決済の両方を行えるサイト。管理画面の操作も簡単ですぐに活用できる。
・Googleマイビジネス
Googleの検索結果・Googleマップ上に店舗情報を無料で登録・掲載できる。
・SNS
情報拡散力に優れている媒体。良質な口コミが拡散されれば高い集客効果が見込める。
・ブログ
情報発信・露出に時間が掛かるが多くの情報を提供できる。長期的な集客施策にはおすすめ。
アプリ・予約サイトはすぐにでも集客効果を発揮することができるため、オープン直後のゲストハウスには非常に適しています。アプリ・予約サイトは媒体ごとに利用者数・利用者層・集客特性が異なるため、自ゲストハウスのターゲットユーザーやコンセプトに合わせて選定するのがおすすめです。
SNS・ブログは集客効果を発揮するまでに手間と時間がかかりますが、コミッションを支払う必要が無いため、徐々に充実させていくと良いでしょう。
設備・備品の充実
ゲストハウスはリーズナブルな料金で宿泊できることが魅力ですが、低料金だからと言って快適に過ごせない環境では利用者の満足度は低下してしまいます。そのため、設備・備品を揃えて施設環境を充実させておくことも、集客やリピートに繋げるための重要な戦略となります。
・インターネット環境
・冷蔵庫・湯沸かしポット・電子レンジ
・スリッパ・タオル・バスタオル
・ボディーソープ・歯磨きセット
・ドライヤー・アイロン
多くのゲストハウスでは、このような設備・備品が不十分であることが多いため、オプションサービスとして提供することでゲストハウスのサービス品質を向上させることができます。
ニーズに合わせた顧客体験を提供
近年のビジネスでは、上質な顧客体験を提供することで顧客のファン化・リピート化を図る手法が重視されています。ゲストハウスにおいても、単に宿泊の場を提供するだけでなく、自ゲストハウスならではのおもてなしやアクティビティを提供することで、顧客満足度向上や差別化が期待できます。
・イベントの開催
・地元の食事・ドリンクの提供
・観光案内
・ワークショップ
・体験プログラム
顧客ニーズに合わせて顧客体験が向上するようなサービスを提供することで、自ゲストハウスの個性・カラーの確立にも繋がります。
送迎サービスの検討
観光地や公共交通機関の駅から離れた場所に位置するゲストハウスの場合は、駅とゲストハウスの間・ゲストハウスと周辺観光地の間で送迎サービスを提供するのもひとつの戦略です。
ゲストハウスを選ぶ際に交通利便性を気にしている利用者は多いため、送迎サービスを提供することで集客・満足度向上・競合との差別化を図ることができます。
実際には、ゲストハウスと駅との間は無料送迎、周辺観光地への送迎は有料サービスで提供しているケースが多く見られます。
有料で送迎サービスを提供する場合には、第二種運転免許が必要となる点には留意しておきましょう。
安定経営へのポイントを押さえる
ゲストハウスは、短期的ではなく長期的に成功させなければ存続させることができません。そのため、経営戦略について考える際には、売上を拡大させるだけでなく安定化させるための手段を考えておく必要があります。
安定経営について考えるには、次のようなポイントについて、具体的な数値を見積もっておくことが重要です。
・平均客単価
・平均客数
・客室稼働率
・リピート率
・月間売上目標
・年間売上目標
・必要経費(月間固定費)
上記の各数値について、どの程度達成すれば経営が成り立つのかあらかじめ検討しておくことで、経営状況を的確に把握することができます。また、目標数値をキープするように運営を行うことで、ゲストハウスの経営を安定化させやすくなります。
専門家のアドバイスやサポートの活用もおすすめ!
ゲストハウスの経営について検討・実践してみたけれども、「効果的な経営戦略が思いつかない」「自分なりに実践してみたけれども成果に繋がらない」といった方は、ゲストハウスの専門家へ相談してみるのがおすすめです。
ゲストハウスのコンサルティング・サポート等を行っている専門家であれば、ゲストハウス経営に関する専門的な知識が豊富であり、多数のゲストハウスの成功事例・失敗事例も知っているため、相談者の課題に合わせた最適な経営戦略・打ち手を見いだすことができます。
出口の見えない課題でも、第三者の視点から見ると良いアイデアが見つかるケースも少なくないため、信頼できる会社のコンサルティング・サポートを活用してみましょう。
ゲストハウスのトータルプロデュース事業を運営している弊社では、経営課題の解決や目標達成の支援も行っています。ゲストハウスの経営について課題を抱えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい
・ハウスバード株式会社|お問い合わせフォーム
https://housebirdjapans.com/contact
まとめ
ゲストハウス経営のポイントについてご紹介してきました。
ゲストハウスは経営・運営の自由度が非常に高く、さまざまな工夫の余地があります。アイデア次第では、多くの利用者が殺到するゲストハウスを創り上げることも夢ではありません。
これからゲストハウス経営を始める方や、既に経営している方は、この機会に視野を広げて独自の経営戦略を検討してみてはいかがでしょうか。
弊社では、ゲストハウス運営に関する提案・サポートの提供も行っています。ゲストハウスの経営について課題を抱えている方は、ぜひお気軽にご相談下さい。
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