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失敗してからでは遅い【ホテル経営の基本】儲かる?年収は?リスク対策も解説

2023年のホテル・旅館市場は4.9兆円(帝国データバンク)と、ほぼコロナ禍前の水準まで回復し、2024年は過去最高を更新する可能性も取り沙汰されるなど活況を呈しています。本稿ではホテル市場の規模・今後の展望、開業資金・運転資金、失敗しないための心得などをまとめています。儲かるのか?どのようなリスク対策を講じるべきか?など経営者に必要な基礎知識も身につきます。

 

目次
  1. 【最新】ホテル業界の現状と今後の展望
  2. 【儲からない?】ホテルの収益構造と経営者の年収
  3. 【業態・形態】ホテルの種類・経営スタイル
  4. 【初期費用】ホテル開業までの資金と内訳
  5. 【リスクと脅威】経営者が知るべきホテルの課題
  6. 【成功のコツ】ホテル経営に失敗しないための心得
  7. 【許可・資格】ホテル経営者になるには何が必要?
  8. 【準備〜開業】ホテルを開業するまでの流れ
  9. 【有名なホテル経営者】成功事例から競合との差別化・リスクヘッジなどを学ぼう
  10. まとめ

【最新】ホテル業界の現状と今後の展望

ホテル業界はさまざまな外的要因に影響を受けるため、世の中や市場の動きに敏感であることが大切です。まずは今現在のホテル市場と、今後の展望(予測)から見ていきましょう。

2023年度4.9兆円はコロナ禍前の水準

観光庁・宿泊旅行統計調査(2023年・年間値・速報値)によると、2023年度の延べ宿泊者数は5億9,275万人泊、コロナ禍に突入する前の2019年比で-0.5%、一方、2022年比では+31.6%という結果が出ました。

 

▼延べ宿泊者数の推移を示したグラフ(単位:万人)

カッコ内は外国人延べ宿泊者数です。ご覧のように、すでにコロナ禍前の水準まで戻ってきていることがわかります。とくに、外国人延べ宿泊者数は2019年比でわずか-1.1%、2022年比で+592.8%と急激な回復を見せています。また帝国データバンク・「旅館・ホテル業界」 動向調査(2023年度)によると、2023年の旅館・ホテル市場は4.9兆円と、宿泊者数の増加に比例してコロナ禍前の水準まで回復していることがわかります。

 

▼旅館・ホテル市場の推移(帝国データバンク)

※データ引用元:帝国データバンク

※帝国データバンクが保有する企業信用調査報告書ファイル「CCR」から、「旅館・ホテル」業界の企業 931 社における業況(売上高)に ついて調査・分析を行った。なお、集計対象期間は各調査時点から過去1年間(例:2022年4月:2021年4月〜22年3月)

 

こうしたデータからも、ホテル市場が好調であることは一目瞭然。インバウンドの反動増を得て、今後も堅調な伸びを示すものと予想されています。

円安によるインバウンド増も追い風に

2023年1月頃は1ドル130円前後でしたが、2024年7月20日10:00現在は157.50円と、1年半で27.5円もの円安が進んでいます。日本国内に住む一般消費者である私たちにとっては暗いニュースですが、外国人旅行客からすれば割安で日本を楽しめる明るいニュース。

 

もともと外国人旅行客から人気が高かった日本が、円安によってさらに行きやすい国となったことは間違いなく、円安が続く限り今後もインバウンド増=ホテル市場の伸びは続くものと見込まれます。

 

【儲からない?】ホテルの収益構造と経営者の年収

インバウンド増により活況を呈しているホテル業界ですが、今から参入した場合、しっかり儲けることができるのか?経営者としてもっとも大切なポイントですね。まずはホテルがどのように収益を上げているのか、またホテル経営者はどの程度の年収を得ているのかなどを解説します。

ホテルに収益をもたらす3本柱

  • 宿泊
  • 飲食
  • その他(イベント・アクティビティ・お土産・宴会・各サービス等)

ホテルのおもな収入源はこの3本柱です。もちろん宿泊がもっとも大きな割合を占めますが、宿泊と比べて「利益率」が高いのは飲食やその他(特にイベント系)です。そのため、しっかり収益を上げるには宿泊だけでなく飲食やイベントにも力を入れる必要があるでしょう。

 

競合との差別化を図る意味でも、山の幸や海の幸が豊かなら飲食に力を入れる、リゾートホテルであればアクティビティで集客するなどエリア選定とあわせて戦略を練ることが重要です。

経営者の年収は1,000万円超?

よく国税庁の「申告所得税標本調査」における、不動産所得者の平均所得金額を「ホテル経営者の年収の参考に」といった情報を見かけますが、こちらは当てにしないほうが良いでしょう。不動産所得者とは、一般的に家賃収入を得ている人たちのことを指すためです。

 

ちなみに不動産所得者の平均年収は540〜600万円程度ですので、それでは経営者として低年収と言わざるをえません。ホテルの支配人でも年収360〜600万円程度ですから、経営者(総支配人)ともなれば800万円程度がベース、規模などによっては1,000万円超も可能です。

 

【業態・形態】ホテルの種類・経営スタイル

ホテルにはさまざまな種類があり、また経営形態も直営からフランチャイズまで幅広くあります。ご自身のイメージに最適な業態・形態を知ることも経営者の基本です。

ホテルの5つの業態

ホテルにはおもに「ビジネスホテル」「シティホテル」「リゾートホテル」「旅館」「民泊やゲストハウスなどの簡易宿所」という5つの形態があります。また、それぞれにバジェット(低料金)→エコノミー(普通)→ミドル(中級)→ハイエンド(高級)→ラグジュアリー(最高級、豪華)といったランクもあります。業態ごとの特徴・稼働率は以下のとおりです。

 

▼ホテルの業態別・特徴と稼働率一覧表

稼働率については、観光庁の宿泊旅行統計調査(令和4年・年間値・確定値)を参照しています。

稼働率が高い順にビジネスホテル>シティホテル>リゾートホテル

令和4年をベースにお伝えすると、稼働率がもっとも高いのはビジネスホテルで56.7%でした。次にシティホテルの50.1%、リゾートホテルの43.4%と続きます。全体の平均が46.6%ですから、それを上回ったのはビジネスホテル、シティホテルということがわかります。

 

コロナ禍を経て出張が増えたビジネスマン、テレワークが増えたビジネスマンなどが、こぞって戻ってきたことが読み取れますね。また円安が続く近年、そこそこの宿泊料金ながらも充実したサービスや宿泊体験ができるシティホテルも人気です。

 

一方、インバウンドもターゲットとするなら和のテイストを生かした旅館や、コスパに優れた民泊・ゲストハウスといった簡易宿所も狙い目でしょう。稼働率を見る限りでは、コンセプトやマーケティングを誤らなければ、大きな失敗を招くリスクは低いと言えそうです。

ホテルの4つの経営形態

  • 直営方式:経営者がホテルを所有し運営もする
  • 委託方式:経営者がホテルを所有し、運営を委託する(※)
  • リース方式:経営者が所有するホテルを運営者に貸し出し、リース料金を得る
  • フランチャイズ方式:フランチャイズ展開している企業と契約を結んで経営する

※経営者がホテルを所有しないケースもある

ざっくりと分けると、ホテルにはこのような経営形態があります。リスクは高いもののリターンも高いのが直営方式です。また運営のみを委託すれば、利益は減りますがその分、経営者の負担も少なくなります。多拠点展開をしたいときなどは、委託方式も選択肢になるでしょう。

 

より負担を減らすならリース方式、もっともリスクが少ない手段を選ぶならフランチャイズ方式といった方法もあります。フランチャイズは、既存ホテルの知名度を借りられるだけでなく、ノウハウを身につけられるといったメリットもあります。

 

【初期費用】ホテル開業までの資金と内訳

ホテルを開業するためにかかる費用、その内訳についてまとめています。規模やコンセプト、立地などさまざまな要素で大きく変わりますが、目安として以下の金額を参考にしてください。

初期費用は4.5〜48億円が目安

ホテル経営の初期費用とは、ホテルを開業するために必要な資金のことです。営業を行うための物件・設備にかかる費用だけでなく、人件費・広告宣伝費・備品費といった当面の運営費用も含めた費用となります。以下は、ホテルの種類別の初期費用合計金額の目安です。

  • ビジネスホテル:4億5,000万円~
  • リゾートホテル・レジャーホテル:6億5,000万円~
  • シティホテル:48億円~

どのようなホテルを開業するかにもよりますが、全ての初期費用を合計するとこのように非常に大きな金額となるため、開業時にはまとまった資金を確保する必要があります。

初期費用の内訳

物件取得費用

  • 設計費用:1,000万~1,500万円
  • 設計監理費用:600万~800万円
  • 内装工事:5,000万~1億8,000万円
  • 外装工事:5,000万~1億2,000万円

物件取得費用とは、ホテルを運営するための物件を確保するための費用です。土地を購入して新たにホテルを建てるのであれば、土地代・建築費、既存の物件を購入してリフォームを行うのであれば、物件購入費用・リフォーム費用が必要となります。ホテルの規模・種類・エリアにより費用は大きく異なりますが、一般的に都市部であるほど、グレードの高い物件となるほど、各費用は高くなる傾向にあります。

旅館業初期費用

ホテルを開業するには、旅館業法に定められる旅館業営業許可証を取得しておく必要があります。自治体により異なりますが22,000~30,000円程度の申請手数料が必要です。申請にあたっては煩雑な書類作成や事前調査などが必要となるため、これらを建築士や行政書士等に依頼する場合は、依頼する内容・範囲にもよりますが、10万円~20万円程度の費用が発生します。

ホテルが位置する各都道府県・市区町村の役所へ申請手続を行い、施設の検査を経て許可が下ります。この旅館業営業許可証を取得するのには、申請から許可まで約10日程度の期間と申請費用が必要となります。

消防設備費用

  • 書類作成届出:10万円~(代行を依頼した場合)
  • 消防設備点検:3万円程度(1,000㎡)
  • 消防設備設置:200万円~(特定一階段等防火対象物)

ホテル・旅館等の宿泊施設を開業するには、消防法に基づき消防設備・防火設備の設置を行い、各種書類を作成して消防署へ届出を行う必要があります。届出を行うにあたっては、消防設備設置・検査立ち合い・書類作成届出においてそれぞれ費用が発生します。最も費用の差が大きくなるのは設備の設置。物件の大きさや法的な諸条件により費用は大きく異なってきます。

FF&E費用

どの程度充実させるか・どの程度の規模かによって費用が大きく異なるため、相場にも開きがあります。平均的なホテルでは1室あたり200万円程度、高級ホテルでは1室600万円以上が目安となります。なおFFEとは、ホテル運営に必要となる備え付けの家具・什器・設備・備品などを指す業界用語。具体的には、以下のような購買物が挙げられます。

  • ベッド用具
  • 電化製品
  • 雑貨
  • ランドリー用備品
  • キャビネット
  • 制服
  • 食器類
  • 厨房器具
  • カート類
  • フィットネス用品
  • オフィス用品
  • 保安用品

ホテルのイメージ・コンセプト・サービスを左右する大きな要因となるため、開業時には内外装に加えてFF&Eもきっちりと準備しておく必要があります。

初期運営管理費用

ホテルの初期費用では、営業できる状態に施設・設備を整えるだけでなく、人件費・広告宣伝費・水道光熱費・消耗品費・システム費・外注費といった、当面の運営費用を確保しておく必要があります。開業後の月間運営管理費用を試算して、なるべく多くの金額をプールしておいた方が安心です。

 

例えば月1,000万円の出費が予定されるのであれば、少なくとも3ヶ月分の3,000万円、できれば半年分の6,000万円程度を用意しておくと理想的です。特に、開業初期は集客・売上が安定しない懸念もあるため、余裕を持って資金を確保しておくことが重要です。

 

【リスクと脅威】経営者が知るべきホテルの課題

活況を呈しているホテル市場ですが、危機感を持って経営する視点を欠いてはいけません。コロナに次ぐ感染症拡大といった当たり前の脅威だけでなく、好調の影に隠れて見えづらくなっているリスクについても再認識しておきましょう。

人手不足による稼働率・サービスの低下

冒頭でお伝えしたように、ホテル業界はコロナ禍前の水準まで回復し、円安などの影響もあって今後も堅調に伸びを示すものと考えられています。一方、現場で深刻な問題となっているのが人手不足です。

 

2023年4月に実施した帝国データバンクの調査では、旅館・ホテル業界の正社員の人手不足率は業種別最多となる75.5%という結果に。非正社員においても、飲食店の85.2%に次ぐ78.0%ですから、いかに人手不足であるかがわかります。

 

人手が足りなければ十分なサービスが提供できず、評価が下がるかもしれません。また稼働率を下げざるをえなくなれば、好調な市場とは裏腹に大きな機会損失を招き、経営に失敗してしまうリスクも生じます。

インバウンド需要・世界情勢の影響

円安の影響でインバウンドが急増していますが、円安が落ち着けばそのインバウンドも今より緩やかになる可能性があります。またロシアとウクライナ、中国と台湾、韓国と北朝鮮など、緊張感が高まる世界情勢の影響も無視はできません。

 

直接的な影響は受けなかったとしても、原材料や原油価格の高騰などが経営を圧迫することも想定され、そうなると従業員に十分な対価が支払えず人手不足が深刻化する、という負のスパイラルも考えられます。

円安による日本人宿泊客の減少・ニーズの変化

円安による買い控えが日常になりました。日本人の国内旅行(宿泊旅行)はコロナ禍前の水準まで回復しました(※)が、引き続き円安が家計を圧迫し続けた場合、旅行控えやよりお手頃価格のホテルを選ぶといったニーズの変化も想定できます。

観光庁:旅行・観光消費動向調査 2023年年間値(確報)

 

【成功のコツ】ホテル経営に失敗しないための心得

ホテル経営に失敗しないためには、リスクや脅威に対する対策を事前に講じておくこと、また冷静な分析力や判断・決断力が必要です。エリア選定や集客の努力、リスクマネジメントといった基本的なところは当たり前ですから、本稿ではとくに大切なそれ以外のポイントをまとめました。

 

▼ホテル経営を成功に導く5つのポイント

スタッフの確保は必須。労働環境にも配慮を

価格競争は仕掛けない・乗らない

DXで効率化・コストダウンを図る

集客はOTAに頼りすぎない

勝負すべきステージを見極める

 

それぞれ詳しく解説します。

スタッフの確保は必須。労働環境にも配慮を

上述のように、ホテル業界は深刻な人手不足に陥っています。コロナ禍で流失した人材は、層簡単には戻ってきてくれません。人手不足の解消は、十分なサービスを提供するためにも、高い稼働率を維持するためにも必要です。外国人材の登用を進める、自動化(省人化)を図るといった部分への投資は、不可欠と考えて良いでしょう。

 

また、今いるスタッフの労働環境も大切にしてあげてください。お客様のほうにばかり目を向けていると、もっとも大切な人材・スタッフを手放すことになるおそれがあります。スタッフが笑顔ならサービスの質は自ずと向上しますし、スタッフが愛着を持てるホテルは、雰囲気も明るく宿泊客からの印象も良いはずです。ぜひスタッフに愛されるホテルづくりを目指しましょう。

価格競争は仕掛けない・乗らない

価格競争は、100%勝てる根拠がない限り仕掛けない、仕掛けられても乗らないことが重要です。一度下がった価格を戻すことは容易ではありません。その上、価格競争に負ければ立て直すことも困難となります。宿泊料金に見合うサービスを提供し、それ以上の付加価値を生み出すことで競合との差別化を図りましょう。

DXで効率化・コストダウンを図る

人手不足をカバーする方法でもあります。すでに実践しているホテルも増えていますが、チェックイン/チェックアウト、そのほかフロント業務をデジタル化するだけでも、スタッフの労力は軽減されますし、業務がスリム化することでコスト削減も実現できます。

 

インバウンドがターゲットの場合でも、自動翻訳といったツール、システムを導入しておけば対応できる上、経費の多くを占める人件費も抑えられます。導入コストはかかりますが「IT導入補助金」など活用できる補助金もあるので覚えておきましょう。

集客はOTAに頼りすぎない

OTA(オンライン旅行代理店)は集客効果が高く、ホテル運営において欠かせないサービスです。もちろん利用することはおすすめですが、手数料が高いため利益を削られすぎないように注意しましょう。Instagramなどを活用するのは当然、MEO対策(Google Mapなどの地図エンジンで上位表示されるための施策)を打つことも重要です。

 

また、競合があまり手を出していないオウンドメディアの運営もおすすめです。「◯◯(エリア) ホテル」で検索したときに上位表示されるよう、SEO対策(検索結果に上位表示されるための施策)をしっかりおこなえばアクセス増も見込めます。ネットを駆使した戦略は、ホテル経営者も最低限身につけておきたいポイントです。

勝負すべきステージを見極める

ホテル経営で儲けるには、なにも豪華なリゾートホテルや外資系を凌ぐ超高級ホテルを運営しなければならないということはありません。ニーズが高まっているシティホテルのエコノミークラスや、開業資金を抑えられるビジネスホテルでも十分勝機はあります。

 

準備できる資金と、あなたが考える理想のホテルを可能な限り具体化し、勝負できるステージを見極めることが大切です。その上で、競合他社にはない独自のサービス・強みを持つことで差別化を図りましょう。

 

【許可・資格】ホテル経営者になるには何が必要?

どのようなコンセプトを打ち出すか、設備やサービスを取り入れるかなどでも変わってきますが、ホテル経営者が最低限押さえておくべき許可や資格をまとめました。

 

※代行を依頼するケースがほとんどですので、ここでは簡単に概要のみを説明します。

旅館業(宿泊業)の営業許可

洋式中心の客室で10室以上、また1室の床面積が9平方m以上のホテルを経営する場合、旅館業法に基づく営業許可が必要です。旅館業法にだけ則れば良いというわけではなく、建築基準法や消防法の基準もクリアしている必要がある点に注意しましょう。

飲食店の営業許可

レストランなどの飲食店を併設する場合はもちろん、ルームサービスで飲食を提供する場合でも食品衛生法に基づく営業許可が必要です。早ければ申請から2〜3週間で許可書が交付されます。検査は保健所がおこないますが、基準は保健所によって異なるため事前に確認しておきましょう。

公衆浴場の営業許可

大浴場やサウナなどを併設する場合、公衆浴場の営業許可が必要になることがあります。こちらも管轄は保健所になり、検査基準が異なるため必ず事前に確認しておきましょう。

食品衛生責任者

飲食店を営業する場合、最低1名は配置する必要があります。レストランやバーなどを非正社員中心で回す場合は、食品衛生責任者の資格を持った正社員を置くと良いでしょう。

危険物取扱者(乙種4類)

「乙4」などと呼ばれる資格です。ボイラーの燃料に重油を扱う場合に必要となります。誰でも受験でき、合格率はおおむね30〜40%程度(一般財団法人消防試験研究センター)。経営者が取得しておけば有資格者を雇用する必要がなくなるので、人件費を少しでも抑えたいときは取得しておくと良いでしょう。

消防設備士

ホテルに設置する消火設備(消火器、消火栓、スプリンクラーなど)や警報設備、避難設備などの管理・点検の際に必要な資格です。有資格者を雇用する方法もありますが、経営者が取得しておいたほうが、いざというときにも役立ちますし防災・安全の観点からも安心です。

防火管理者

ホテルは特定防火対象物に指定されており、収容人数が30人を超える場合は防火管理者を選任する義務があります。消防計画の策定と消防訓練、設備点検などを実施する際に必要であるたこと、また安全に経営するために重要であることから、経営者や支配人が取得しておくべき資格とされています。

ボイラー技師(二級)

ボイラーの点検・調整などをおこなう際に必要な資格です。有資格者を雇用する方法もありますが、経営者が取得していたほうが、スタッフへの指示やトラブル時の適切な対応などができるでしょう。

 

【準備〜開業】ホテルを開業するまでの流れ

  1. 信頼できるパートナーを探す
  2. 事業計画書を作成する
  3. 資金を準備する
  4. 営業許可を申請する
  5. 物件購入・建築する
  6. 保健所などによる検査を受ける
  7. 営業許可証の交付を受ける
  8. スタッフの雇用を始める
  9. 集客を始める
  10. 開業日を迎えたら営業開始

ホテルを開業するまでの大まかな流れは上記のとおりです。ただし同時進行が必要なものや、前後するものもあるため、まずはホテル経営の心強い味方となってくれる、信頼できるパートナーを探すところから始めましょう。

 

【有名なホテル経営者】成功事例から競合との差別化・リスクヘッジなどを学ぼう

ホテル経営を成功に導くためには、本稿でお伝えしてきた知識ももちろん必要不可欠ですが、実際に事業を成功させている経営者から学ぶのも大変有用です。たとえば

  • 元谷芙美子さん(アパホテル株式会社 代表)
  • 星野佳路さん(株式会社星野リゾート 代表)
  • 龍崎翔子さん(株式会社水星 代表)

こちらの3名は独自路線でホテル経営を成功に導いたカリスマ経営者です。

 

▼ホテル経営で成功した有名人のおすすめ書籍

一例ですが、いずれもAmazonなどで手軽に購入できます。とくに龍崎翔子さんは大学生時代にホテル経営者として起業し、コロナ禍を乗り越え年商9億円を生み出した日本屈指の若手実業家です。実際に成功を収めた経営者の考え方・手法・リスクヘッジなどを学ぶことは、これからホテル経営者を目指す方々にとって大きな財産となるでしょう。

 

まとめ

コロナ禍前の水準を取り戻したホテル業界ですが、開業には多額の初期費用が必要となります。市場が拡大しているとはいえ、「まずはリスクの少ないところから始め、軌道に乗ったらホテル経営を考えたい」という方もいるでしょう。

 

ホテル経営に必要な初期費用や運用リソースの確保が難しい方は、より少ないコストリソースで開業できる小規模宿泊施設おすすめです。トレンドである貸別荘やゲストハウスであれば、ホテルにはない、ホテルでは提供できないニーズに応えることができます。

 

弊社は貸別荘・ゲストハウス運営に必要な不動産・マーケティング・デザイン・建築・施工・運営管理など幅広い知識と経験を有する集団です。物件選びから運営、顧客対応、収益改善までワンストップで請け負えるため、コストを抑えつつ高利回りを実現することも可能です。

 

まずはぜひ一度、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

 

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