【コラム】相続対策に不動産活用が有効な理由と3つの方法
ご両親が亡くなるなどして相続人となり、お金や保険、住宅などを相続すると、その相続資産の価値に応じて相続税を納める必要があります。
資産価値の高い財産を相続するとそれだけ多額の税金を納めなければなりません。
お金を相続したのであれば、相続した財産の一部を納めればよいですが、住宅を相続したような場合には、その価値に応じた税金を自己資金で納税しなければならず、こうした納税資金の準備をするのも大変です。
そのため、多額の財産を相続する可能性がある場合には、あらかじめ相続対策を講じておくことが大切です。
本コラムでは、不動産活用がなぜ相続対策に有効といわれているか、具体的に3つの方法についてわかりやすく解説します。相続対策でお困りの方や、不動産をうまく活用したいと考えている方はご一読ください。
現金と不動産の相続時評価の違い
現金を1億円持っている人が、その現金をそのまま相続する場合と、その現金を不動産に変えて相続する場合とでは、評価がまったく異なるということをご存知でしょうか?
不動産活用が、相続対策に役に立つと言われるポイントはまさにここにあります。
現金と不動産はどの程度評価が異なるのでしょうか?
相続税の計算方法
まずは、相続税の計算方法について簡単に理解しておきましょう。
相続税の基礎控除額
相続税には「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」という基礎控除枠が設けられています。
例えば、相続人が妻と子2人の家庭であれば基礎控除額は4,800万円で、相続財産の額が基礎控除額以下であれば相続税は納めなくてよいこととなります。
なお、2015年以前は「5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数」」だったのですが、改正により基礎控除枠が縮小されました。
これにより、2014年には約13.3万人(割合4.4%)だった納税者数が、2015年には約23.5万人(割合8.0%)にまで増えました。
これまでと同じ感覚でいると、いざその時になって多額の納税額が必要になって困ることになるかもしれません。
宿泊業と不動産を活用した相続について詳しく知りたい方はこちら
相続税の税率
2015年の改正では、税率も挙げられており、2015年以降の相続税の税率は以下のようになっています。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
実際には法定相続分に応じた計算をした後に、取得金額が決まりますが、例えば5,000万円の財産を取得することが決まった場合の納税額は、5,000万円×20%-200万円=800万円となります。
その時になって困ってしまわないよう、しっかり相続対策することが大切です。
宿泊業と不動産を活用した相続について詳しく知りたい方はこちら
現金は100%課税対象に
現金は100%が相続財産と査定され、控除額を差し引いた分に対してそのまま課税されてしまいます。
不動産は購入価格よりも低く評価される
一方、現金を不動産に変えた場合には、相続財産は不動産になります。
不動産は相続の際に「いくらの価値があるのか?」という評価計算が行われます。
この評価計算は、土地であれば不動産購入価格の8割程度、建物であれば築年数が浅くても7割程度、古い建物の場合には3割程度になることもあります。
同じ1億円を相続するにしても、相続する財産が不動産なのか、現金なのかというだけで、課税される財産の評価はまったく異なります。
たとえば、1億円でマンションを購入した場合、死亡時の評価は1億円の8割、つまり8,000万円程度になるのです。
古民家などに関しても、築年数が経年しているので、購入価格よりも評価額の方が圧倒的に低くなり、大きな評価減が期待できます。
これが「不動産活用は相続対策になる」と一般的に言われる理由です。
失敗する別荘活用と成功する別荘活用の違いとは?別荘活用のポイントはこちら▶
「使わない間に別荘を貸して収益化」「管理や維持コストの負担削減」「収益物件として売却価格上昇」など別荘活用をするメリットは様々です。しかし、なかなか別荘活用のノウハウは一般的ではありません。そこで、ハウスバードでは、別荘活用のノウハウを「別荘活用マニュアル」に詰め込みました。
ハウスバードでは、個人・法人問わず多くの別荘地で、管理の手間や管理コストを削減できる「1日単位で貸せる」別荘活用をプロデュースしてきました。別荘活用のノウハウをぜひ無料でダウンロードしてご一読ください。
不動産を活用した3つの相続対策
現金で相続するよりも不動産で相続した方が、評価額が下がるので相続対策になります。
しかし、一口に不動産活用といっても、活用の方法はさまざまです。
具体的にどのような活用法があるのか、オススメの相続対策を3つご紹介していきたいと思います。
賃貸用建物建築で評価はさらに下がる
賃貸用建物は、自己用不動産よりもさらに評価が下がります。
自己用不動産よりも7割程度になるので、現金で不動産を購入すると評価額が6割程度になり、さらにその不動産を賃貸用にすればそこから7割程度の評価額になります。
現金 5,000万円 |
→ | 不動産購入 3,000万円 |
→ | 賃貸用不動産 2,100万円 |
このように、5,000万円を現金で持ったまま亡くなった場合には5,000万円に対して課税されますが、その現金で不動産を購入すれば、6割程度の評価となるので3,000万円に。
さらにその不動産を賃貸用にすれば、そこからさらに7割の評価になり、最終的には2,100万円の評価となります。
当初現金を所有しているよりも、課税される評価額が半分以下になるので、不動産の活用によって、大きな相続対策の効果があるのです。
賃貸用マンション購入で評価額が3分の1程度に
マンションは相続時の評価額が大きく下がる不動産の代表格です。
マンションは土地の持ち分が部屋ごとに按分され、非常に少なくなります。
不動産の評価額の大きな部分を占める土地の所有が少ないマンションは評価が出にくいので、一般的には購入価格の3分の1程度になります。
たとえば、3,000万円の現金を持っている人がマンションを購入するケースを考えてみましょう。
現金 3,000万円 |
→ | マンション購入 1,000万円 |
↓ | ↓ | |
3,000万円に対して課税 | 評価額は3分の1に! |
このように、現金で持っていれば、その現金は額面通りに課税される対象になります。
一方で、マンションを購入すると、著しく評価額が下がるので、このケースの場合には1,000万円の評価へと大きく減価させることが可能です。
小規模宅地で評価が下がる
小規模の宅地は評価額が下がるというルールがあります。
このルールを小規模宅地の特例と言いますが、小規模宅地の場合には面積に応じて以下のように評価額が下がります。
宅地の種類 | 上限面積 | 減額率 |
居住用宅地 | 330㎡ | 80% |
事業用宅地 | 400㎡ | 80% |
貸付事業用宅地 | 200㎡ | 50% |
現金を5,000万円持っている人が、居住用宅地を購入した場合には、1,000万円まで評価が下がるということです。
また、貸付用の事業用宅地でも、評価は50%などになります。
たとえば、古民家物件の建物などは、経年しているので、建物の評価はそれほどつきません。
そこに、小規模宅地の特例も絡めることで、土地の評価も半分になるので、税金対策に大きな効果を発揮します。
もちろん、古民家を購入して居住する場合には、さらに節税効果は大きくなります。
失敗する別荘活用と成功する別荘活用の違いとは?別荘活用のポイントはこちら▶
「使わない間に別荘を貸して収益化」「管理や維持コストの負担削減」「収益物件として売却価格上昇」など別荘活用をするメリットは様々です。しかし、なかなか別荘活用のノウハウは一般的ではありません。そこで、ハウスバードでは、別荘活用のノウハウを「別荘活用マニュアル」に詰め込みました。
ハウスバードでは、個人・法人問わず多くの別荘地で、管理の手間や管理コストを削減できる「1日単位で貸せる」別荘活用をプロデュースしてきました。別荘活用のノウハウをぜひ無料でダウンロードしてご一読ください。
贈与を活用して相続対策も可能
不動産を購入するという方法で、相続対策をご紹介してきましたが、贈与の制度をうまく活用することでも、相続対策は可能です。
贈与する相手や資産によって税金の優遇措置があるので、亡くなって相続が必要になる前に、贈与によって相続対策を行うことができる方法を3つご紹介していきます。
相続時精算課税制度を利用する
純粋な意味での税金対策ではありませんが、相続時精算課税制度を利用することでも贈与税の支払いを調整することが可能です。
相続時精算課税制度とは、2,500万円まで贈与を行っても贈与税を非課税とすることができ、相続時に相続財産として相続税の課税対象とする制度です。
この方法であれば2,500万円までであれば贈与税ではなく、相続時に相続税として精算することができますので、贈与税の支払いを免れることが可能となります。
なお、相続時精算課税制度における財産の評価はあくまでも贈与時の評価にもとづくものですので、経年劣化による評価減を期待することはできません。
住宅取得資金贈与を利用する
子供が住宅を建築(購入)する時に現金を贈与することでも税金対策に効果があります。
住宅取得資金贈与制度を利用すると、1,310万円までは住宅取得の資金の贈与について非課税となります。
わざわざ不動産を購入して子供に相続させるよりも、子供が住宅の取得を検討しているのであれば贈与してしまった方が、非課税ですので税金対策として大きな効果を得ることが可能です。
同じ趣旨として、教育資金の贈与も1,610万円までは非課税です。
配偶者贈与を利用する
婚姻関係が20年を過ぎているのであれば、配偶者贈与も税金対策として大きな効果があります。
配偶者が住むための、日本国内の居住用不動産または居住用不動産を取得するためのお金の贈与は、2,110万円まで非課税となっています。
居住用不動産を購入する予定がある場合、不動産投資よりも税金対策として大きな効果があるため、利用できる方にとってメリットが大きい制度となっています。
失敗する別荘活用と成功する別荘活用の違いとは?別荘活用のポイントはこちら▶
「使わない間に別荘を貸して収益化」「管理や維持コストの負担削減」「収益物件として売却価格上昇」など別荘活用をするメリットは様々です。しかし、なかなか別荘活用のノウハウは一般的ではありません。そこで、ハウスバードでは、別荘活用のノウハウを「別荘活用マニュアル」に詰め込みました。
ハウスバードでは、個人・法人問わず多くの別荘地で、管理の手間や管理コストを削減できる「1日単位で貸せる」別荘活用をプロデュースしてきました。別荘活用のノウハウをぜひ無料でダウンロードしてご一読ください。
まとめ
不動産投資が相続対策として活用できることがお分かりいただけたと思います。
現金はそのまま課税されてしまいますが、不動産はほとんどの場合、現金よりも評価が低くなるからです。
また、不動産を賃貸用、もしくは小規模の居住用とすることで、さらに大きな評価減を期待することができます。
たとえば建物の相続税評価額の大幅な減額ができる古民家などは、税金対策への効果は非常に大きいと考えられます。
現金を多く持ち、相続対策に悩んでいる方は、相続対策に非常に有効な不動産活用を検討してみてはいかがでしょうか?
「別荘を考えているができればより多くの収益を生めたらなお嬉しい」「不動産の活用について知りたい」 そんな不動産の活用に関するお悩みがあれば、旅館業プロデュースのハウスバードにお任せ下さい。 数多くの空き家・別荘の活用に携わってきたハウスバードの「ハウスバード流空き家活用マニュアル」では別荘・不動産活用に関する知識を網羅的に紹介しています。