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【コラム】アメリカの不動産投資で気を付けておくべき税規制とは?

 

 

国内の不動産投資は少子高齢化が進む中で先行き不透明感があり、海外の不動産投資に興味を持つ方も多くなってきました。

本記事では、海外不動産の内、特にアメリカの不動産を購入する場合の税規制について解説していきます。

アメリカの不動産を購入した場合の税制

日本在住の方がアメリカの不動産を購入した場合は日本・アメリカそれぞれで確定申告をする必要があります。

とはいえ、日本とアメリカで税金が二重に取られるというわけではありません。

申告を両方の国ですると、外国税額控除の制度により国際的な二重課税を、ある程度防ぐことができるようになっています。

 

また、日本での確定申告の際は、「全世界所得課税」という方法を採用しており、アメリカをはじめ世界中のどの国で得た収入であろうと日本の税制に基づいて申告するようになっています。

そのため、アメリカの不動産を購入した場合でも、日本国内の不動産を購入した場合と同じ税制度が適用され、日本での所得と合算して申告する損益通算も可能となります。

 

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日本とアメリカの減価償却の違い

 

アメリカ不動産投資の大きなメリットとして、減価償却額が大きいことが挙げられます。

 

減価償却とは

減価償却とは建物や機械などの資産を長期で使用する際、それぞれに設定された耐用年数に応じて一定期間で按分して経費に計上する制度のことを指します。

簡単に言えば、1,000万円の資産の耐用年数が10年だった場合、10年間にわたり毎年100万円ずつ経費計上することが可能となります。

ただし、不動産のうち土地についてはこの減価償却の制度は適用されません。

 

日本とアメリカの建物評価の違い

アメリカの不動産投資において重要なポイントとして、日本とアメリカの建物の評価に関する考え方が違うことが挙げられます。

具体的には、日本においては土地と建物の評価割合がおおよそ土地8:建物2なのに対し、アメリカでは一部地域を除き、土地2:建物8と建物の評価が高くなっているのです。

これは、日本がこれまで建物を築30年程度で建て替えするのが一般的であるのに対し、アメリカでは建物に永く住み、中古の建物でも高い評価がつきやすいといった考え方の違いが表れているといえます。

これにより、減価償却の対象額が日本より高くなりやすくなります。

 

日本の減価償却の考え方

例えば同じ5,000万円の不動産を購入した場合、日本ではその評価額は

土地:4,000万円

建物:1,000万円

となり、1,000万円が減価償却の対象となります。

 

アメリカの減価償却の考え方

一方、同じ5,000万円の不動産を購入した場合でも、アメリカでの評価額は

土地:1,000万円

建物:4,000万円

となり、4,000万円が減価償却の対象となるのです。

 

耐用年数の違い

土地と建物の評価割合の違いだけでなく、日本とアメリカでは建物の法定耐用年数も大きく異なります。

日本とアメリカの不動産に関する法定耐用年数は以下のようになっています。

 

    木造 重量鉄骨造 RC造
日本 新築 22年 34年 47年
中古 (法定耐用年数-築年数)+法定耐用年数×20%
アメリカ 新築・中古に関わらず27.5年

 

法定耐用年数に関しては日本の方が減価償却額を大ききしやすい

評価割合についてはアメリカの不動産の方が減価償却額を大きくしやすいことをお伝えしましたが、一方で中古物件に関しては日本の不動産の方が評価額を大きくしやすくなっています。

例えば、築22年の木造物件を購入した場合、日本の制度だと耐用年数は(22年-22年)+22年×20%=4年となります。

1,000万円の物件を購入した場合、毎年250万円の減価償却が可能となる計算です。

一方、アメリカの制度だと新築・中古にかかわらず耐用年数は27.5年となっているため、1,000万円の物件だと1年で減価償却できる額は36万円程度です。

 

ただし、耐用年数が短いと確かに減価償却額を大きくできますが、デメリットもあります。

それは、減価償却期間が早く終わってしまうことと、売却時の経費計上額が短期間で少なくなってしまうことです。

上記ケースで言えば、日本の制度だとわずか4年で減価償却の経費計上はできなくなってしまいますが、アメリカの制度だと27.5年間減価償却を受けられます。

また、不動産を売却すると、売却額から不動産の価値を差し引いた額に税金が課されることになります。

 

例えば、1,000万円で購入した不動産を2,000万円で売却すると、差額の1,000万円に税金が課されるのですが、このとき減価償却分も差し引かなければなりません。

仮に、先程のケースで購入から10年後に不動産を売却する場合、日本の制度だと2,000万円全額に対して税金が課されるのに対し、アメリカの制度だと2,000万円-(1,000万円-36万円×10年)=1,360万円が課税対象となります。

 

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令和2年度税制改正によるアメリカ不動産投資への影響

 

大きな節税メリットのあるアメリカ不動産投資ですが、令和2年税制改正大綱により大幅な節税ができなくなる可能性がある点に注意が必要です。

以下は国外中古不動産の不動産所得に関する損益通算に関する内容です。

 

国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例を次のとおり創設する。

(1) 個人が、令和3年以降の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合において

その年分の不動産所得の金額の計算上国外不動産所得の損失の金額があるときは、その国外不動産所得の損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は、所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかったものとみなす。

引用:令和2年度税制改正の大綱〔令和元年12月20日閣議決定〕 3 租税特別措置等(国税)〔新設〕(16ページ)

 

いままでは建物の減価償却費を計上し、日本での収入にぶつけて課税所得を低くすることができましたが、この改正により2021年以降の不動産所得が対象となるため、アメリカを含む海外不動産の減価償却費は損益通算ができなくなってしまいます。

 

法人は規制対象外

今回の税制改正は個人が対象となり、法人は対象外となるため従来通りの節税対策をすることができます。

現在個人で所有しているケースでは、同族法人に売却して法人名義にすることも一つの手段として考えられるでしょう。

なお、この場合、個人が売却して得た利益に対しては、譲渡所得税(所有期間5年以内の売却の場合39.63%、5年超の売却の場合20.315%)が課されることになります。

 

譲渡所得を小さくできる

今回の改正により、海外不動産について減価償却分を損益通算できなくなったとお伝えしましたが、この制度改正により、差し引かなかった減価償却分については、売却時の計算においても、差し引かなくてよくなりました。

先程お伝えしましたが、所有期間中に減価償却し過ぎてしまうと、売却時の経費計上が少なくなり、納税額が大きくなってしまうというデメリットがありました。

この制度改正により、所有期間中の節税効果は薄れることとなりますが、結果として売却時の納税額については実質的に節税できるようになったといえるでしょう。

 

税制改正により節税メリットを受けることができなくなる恐れがありますが、それでもアメリカの不動産市場は堅調であり、価値の下がらない中古物件は高値での売却時や家賃収入などの魅力はまだまだあります。

既にアメリカの物件をお持ちの方はまずは専門家と相談して、今後の対策をじっくり考えるようにしましょう。

 

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まとめ

アメリカ不動産投資における税制について、日本とアメリカの制度の違いや今後の法改正についてお伝えしました。

従来であれば減価償却に関する制度の違いにより節税メリットの大きかったアメリカ不動産ですが、税制改正に伴いその状況も変わってしまう可能性があります。

それでも、中古物件として価値のあるアメリカ不動産への投資は魅力的なものでもあります。

今後も、税制改正の動きについてしっかり注力しつつ、魅力的なアメリカ不動産への投資を考えてみてはいかがでしょうか。

 

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