【コラム】空き家を活用したビジネスで成功するコツとは?
「空き家を活用したビジネスは難しい」と言われていますが、本当でしょうか?
具体的に「何が」難しいのかが分かれば、成功への道が見えてくるかもしれません。
一緒に考えていきましょう。
空き家を活用したビジネスが「難しい」と言われる理由は?
増加の一途をたどる空き家ですが、うまく活用してビジネス展開し、収益をあげている方もいます。
空き家のビジネス活用が難しいと言われているのは、次のような理由が考えられるからです。
老朽化した空き家が多い
「空き家」と聞くと、今にも倒壊しそうな雑草だらけの空き家を想像する方も多いと思います。
日本には老朽化が進んだ空き家が多くあります。
住宅は、人が住まなくなると急速に劣化することが大きな原因です。
2018年に、総務省統計局が実施した「平成30年住宅・土地統計調査(※)」によれば、
日本には864万戸の空き家が存在しています。
その4割にあたる347万戸は、賃貸・売却・別荘用以外の空き家で
「長期不在」または「取り壊し予定」などの空き家です。
老朽化が進んだ空き家がこれだけある、と考えていいでしょう。
老朽化した空き家を活用してビジネス展開するには、
まずリフォームから始めなければならないなど初期投資が膨らみます。
そのため「なかなか手を出せない=難しい」というのが現状ではないでしょうか。
※総務省統計局 報道資料「平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の要約」より
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_youyaku.pdf
地域の経済状況が芳しくない
空き家が多い地域は、人口減少や高齢化などによって、
経済が停滞もしくは衰退していることが少なくありません。
そうした地域で、空き家を活用したビジネスを展開するにはリスクがあると考えるのが一般的です。
そもそも情報が少ない
売り手と買い手などを結ぶマッチングサイトが登場し、
自治体が独自に運用してきた空き家バンクの全国一元化も行われましたが、
それでも情報量は十分ではありません。
世に出ていない空き家も数多く、閉鎖的な市場というのが現状です。
「空き家でビジネス」はできる!主な活用例を紹介
「空き家でビジネス」はできる
確かに、今の日本は空き家を活用したビジネスが「展開しにくい」状況と言えるでしょう。
「難しい」と思い込んでいる方が多いことも、ネガティヴなイメージを増長させているのかもしれませんね。
しかしながら、実際にうまく活用している方も多くいます。
新たなアイデアも次々と生まれ、クラウドファンディングを利用した空き家の活用例なども、多く見かけるようになりました。
ビジネスが波に乗れば、継続的な収益が得られるという大きなメリットがあります。
具体的に、空き家のビジネス活用例を見ていきましょう。
空き家のビジネス活用例
民泊
訪日外国人観光客の増加にともなって規制緩和されたのが民泊です。
民泊新法による規制はありますが、空き家をリフォームして利益を生み出す民泊ビジネスへの活用は、
今後も拡大が予想されています。
賃貸
・貸主がリフォーム費用を負担し、そのまま貸し出す
・貸主がリフォーム費用を負担しない代わりに、DIY型賃貸として貸し出す
賃貸には大きく2パターンありますが、地方でも普及しつつあるのがDIY型賃貸です。
DIY型賃貸物件に特化した検索サイトが誕生したり、
国土交通省が「DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブック」をまとめたりもしています。
カフェ/ゲストハウス
空き家をカフェやアトリエ、パン屋さんなどに改築するといった活用例は、
20〜30代など若い人たちの間で特に人気です。
また、民泊新法では営業日数の上限が180日に制限されていますが、
民宿やゲストハウスを営む場合は旅館業法が適用されるため上限がなくなり、収益性も大幅に向上します。
企業のサテライト・オフィス
本社と離れたところにあるオフィスがサテライト・オフィスです。
働き方の多様化や地方創生の動きなどもあって、サテライト・オフィスを構える企業は増えています。
その最たる例が徳島県神山町です。
県や地域の方々の活動により、神山町の自然の美しさ、高速ネット網、
クリエイターが集う町といった特徴が知られるようになりました。
その結果、東京や大阪などから多くのITベンチャー企業がサテライト・オフィスを構えるまでになっています。
アイデア次第で活用方法は無数にある
4例を紹介しただけですが、ほかにも、精神障害者用の生活訓練所といった「福祉施設」への転用、
ペットとともに生活ができるといった「コンセプトをもつシェアハウス」への活用など、
アイデア次第でさまざまな活用方法を見出すことができます。
空き家を活用したビジネスで成功するコツとは?
ここまでのまとめ
・空き家を活用したビジネスは難しいと言われている
・しかし、うまく活用している方も多く可能性は非常に大きい
ということでした。
実際には知られていないだけで、空き家はさまざまな形で活用されており、
収益をあげている方も数多くいます。
日本は空き家の数が多すぎるため、どうしてもネガティヴなイメージが先行してしまうのかもしれません。
空き家のビジネス活用で大切なこと
空き家を活用したビジネスで成功を収めるには、
時代の流れや地域の特性を理解し、ニーズにあった活用方法を見極める力が必要になります。
また、先に紹介した4例を見ても「立地」が重要であることが分かります。
とはいえ、そう簡単な話ではありませんよね。
ビジネス向きの空き家活用例とは
空き家のさまざまな活用事例の中でも、特にビジネス向きと言われているのが、
先程も触れました「ゲストハウス」です。
民泊のように営業日数の上限がなく、宿泊施設不足により需要が拡大している市場でもあります。
実際、空き家になっていた古民家を宿泊施設として再生させ、成功を収めた事例も複数存在します。
たとえば茨城県常陸太田市の「里美 古民家の宿 荒蒔邸」や、
山梨県笛吹市の古民家一棟貸し「澤之家/坂之家」などは、古民家を宿泊施設に再生させた見事な例です。
今、改めてその価値が見直されている古民家は、
外国人はもちろん日本人のリピーターを獲得できる可能性も高いため、
空き家を活用したビジネスの中でもチャンスの多い市場と言えるのではないでしょうか。
空き家をビジネス活用する際に利用できる補助金・助成金も
空き家をビジネスに活用する際、利用できる補助金や助成金がないか、
管轄の都道府県や市町村のホームページで確認しておきましょう。
過去の例ですが、たとえば神奈川県海老名市では、空き家をリフォームして居住用として賃貸した場合、
50万円を上限に対象工事費用の1/2を助成する、といった取り組みを行っていました。
交付のための要件や申請方法、補助金・助成金の上限額などは自治体によって異なります。
そもそも、こうした制度を設けていない自治体もあります。
そのため事前の確認が必要ですが、
空き家をビジネスに活用する際、補助金や助成金があればぜひ利用しましょう。
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