土地を有効活用する方法10選!メリット・デメリットとともに事例を紹介
土地を有効活用する方法を、メリット・デメリットも交えながら10選紹介します。
活用方法を決める際に失敗しないためのポイントもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
1.土地の有効活用方法7選|土地のみを活用する場合
まずは、土地のみを有効活用する方法を7パターン紹介します。
土地を貸す
まずは土地を貸し出す場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
- 初期費用といったコストがほとんどかからない
- 借り手が見つかれば安定的に収益を上げられる
- 契約満了後は土地が戻ってくる など
土地を貸すにあたっては、仲介手数料といった費用のほかほとんどコストがかかりません(ただし土地の状態や借り手との契約内容にもよります)。
また無事に借り手が見つかれば、定期収入が得られます。
デメリット
- 借り手が見つかるとは限らない
- 収益性はそこまで高くない
- 自己都合で返してもらうことが難しい など
立地や状態などにもよりますが、必ずしも借り手が見つかるとは限りません。
募集中の間は維持管理の手間や費用、固定資産税などもかかり続けます。
また、たとえば急に土地を売却したいと思った場合でも、すぐに返してもらうことは非常に困難です。
月極駐車場を経営する
都市部などで駐車場が少ないエリアなら、月極駐車場を経営するのもおすすめです。
メリット
- 青空駐車場ならほとんどコストがかからない
- 借り手が見つかれば安定的に収益を上げられる
- 狭い土地や使いにくい形状の土地でも可能
- ほかの用途に転用しやすい など
後述するコインパーキングと違い、精算機などを設置する必要がありませんので、初期投資を大きく抑えて始められるのが魅力です。
車が停められさえすれば、狭かったり使いにくかったりする土地でも経営できます。
デメリット
- 節税対策にはならない(更地と同様の税金がかかる)
- 収益性はそこまで高くない
固定資産税や都市計画税などは更地と同じように発生します。
収容できる台数にもよりますが、少ない場合はそれほど高い収益性を見込めないと思ってよいでしょう。
コインパーキングを経営する
初期投資は必要ですが、コインパーキングを経営するという手もあります。
メリット
- ニーズを的確に捉えられれば一定の収益を見込める
- 狭い土地や使いにくい形状の土地でも可能
- ほかの用途に転用しやすい など
立地によるものが大きくなりますが、的確にニーズを捉えることができれば常に満車状態ということも不可能ではありません。
月極駐車場よりも高い収益性が期待できます。
デメリット
- 初期投資や管理費用が必要
- 競合との価格競争になるおそれがある
- 節税対策にはならない(更地と同様の税金がかかる) など
精算機やバー、照明や看板など、ある程度の初期投資が必要になります。
また管理会社に依頼する場合はその費用も頭に入れておかなければなりません。
コインパーキングが多いエリアであれば、価格競争に応じなければならなくなることも想定されます。
太陽光発電用地にする
たとえば田舎の土地で日当たりがよいといった場合、太陽光発電用地にする方法もあります。
ある程度の広さがあれば、高い収益性も期待できるでしょう。
メリット
- 田舎の土地でも可能
- 長期間、安定して収益が見込める
- 補助金が受け取れれば初期投資を抑えられる など
変動はするものの、国が決めた調達価格に基づいて電気を売却できるため、長期間の安定した収益が見込めます。
田舎の活用しづらい遊休土地などはむしろ、太陽光発電用地がおすすめかもしれません。
デメリット
- 天候に左右されることがある
- 自然災害の影響を受けるおそれがある など
雨や曇が多い地域、あるいはそうした年などは、想定したほど発電できないかもしれません。
また飛来物などによる破損、地震などによる倒壊といったリスクにも備えておく必要があります。
資材置き場にする
企業や工場、建設会社などがあるエリアであれば、土地を各種資材置き場として貸し出せる可能性があります。
メリット
- 安定した収益が見込める
- 初期投資はほとんどかからない
- 管理の手間がほとんどかからない など
企業などと契約できれば、長期間安定した収益が見込めるでしょう。
また風雨や盗難などを避けるためのプレハブ小屋であったり防犯対策であったりは必要ですが、それ以外の初期投資はほとんどかかりません。
デメリット
- 収益性は低い
- 使われ方によっては近隣から苦情が来る
初期投資を抑えられる分、収益性も低くなってしまうでしょう。
また早朝や深夜に資材を搬入・搬出したり、ガラの悪い人たちがたむろして騒いだり喫煙したりしていると、近隣から苦情が来ることも想定されます。
土地を信託する
土地を提供して活用はプロにお任せするというのが土地信託です。
配当金(信託受益権)を得ることができます。土地の所有権や、土地に建てた建物などは、契約満了後に受け取れます。
メリット
- 初期費用を抑えられる
- 条件により高収益が見込める など
運用をプロに任せることになりますので、土地を提供するだけで初期投資もほとんどかかりません。
立地などによっては高収益も見込めます。
デメリット
- 利益が出なければ配当金を受け取れないこともある
- 自己都合などで土地を返してもらうことが難しい など
土地信託に成功するかどうかは、信託会社(信託銀行)の手腕にかかっているといっても過言ではありません。
また「やっぱり売却したい」などの理由で土地を返してもらうことは難しいケースも多いようです。慎重に検討することが大切です。
土地を売却する
適した活用方法が見出せない、あるいは土地を活用するのが面倒、初期投資をしたくない、といった場合は売却を検討しましょう。
メリット
- まとまったお金が手に入る
- 土地を維持管理する手間や費用がかからなくなる
- 固定資産税や都市計画税を納めずに済むようになる など
土地を売却した場合、こうしたメリットが考えられます。
まとまったお金が手に入ればほかに活用できる可能性がありますし、維持するための手間や税金からも開放されるといったメリットもあります。
デメリット
- 必ず売却できるとは限らない(時間がかかることもある)
- 思った価格で売却できるとは限らない
- 譲渡所得税や仲介手数料などの支払いは必要
- 土地を手放してしまうことになる など
一方デメリットとしては、こうしたことが挙げられます。
売却できるまで固定資産税や維持管理の手間などがかかり続けます。
立地や状態などにより、相場以下まで価格を下げなければならないことも想定されます。
土地を手放すことになるため、将来後悔することがあるかもしれません。
2.土地の有効活用方法3選|土地の上に建物を建てる場合
続いて、土地の上に何らかの建物を建てて有効活用する方法を4つ紹介します。
一棟貸切の宿泊施設運営
メリット
- 初期投資が少なくて済む(アパート等より少なく、戸建て新築+@程度)
- 転用が効く(最終的に売却や賃貸という逃げ道がある)
- 自己利用可能
デメリット
- 季節により収入が変動する
アパートやマンションを経営する
土地の上にアパートやマンションを建設してオーナーとなる方法もあります。
メリット
- 長期間、安定して家賃収入が得られる
- 節税効果が高い
- 団体信用保険は生命保険の代わりになる など
空室率を下げることができれば、長期間にわたって安定した家賃収入、すなわち不労所得が見込めます。
固定資産税や住民税といった各種税金を大幅に節約できる点もメリットです。
デメリット
- 資金に余裕がないとできない
- 入居者を募集するための対策が必要
- 将来的に大規模改修工事が必要 など
アパートやマンションの建設には膨大な費用がかかります。
ある程度まとまった資金がなければ難しいでしょう。
また空室率を下げるための工夫や、将来必要な大規模改修工事の費用を蓄えておく必要があります。
シェアハウスとして貸し出す
土地の上に戸建てが建っている場合や、戸建てを新築するなどして、シェアハウスとして貸し出す方法もあります。
学生が多く住むエリアなどは意外と需要があるようです。また立地によっては貸し別荘とすることも考えられるでしょう。
メリット
- 戸建て賃貸などにも転用しやすい
- 集客しやすい
- アパートやマンションよりも初期投資を抑えられる
- 安定した家賃収入が見込める など
入居者が決まれば、安定した家賃収入が見込めます。
シェアハウスの人気が高まっていることで、集客しやすいといった点もメリットでしょう。
デメリット
- 立地条件によってはそれほど収益が見込めない
- 管理会社に支払うコストがかかる など
立地によってはまったく入居者が見つからないことがあります。
事前のリサーチが重要になってくるでしょう。
また管理会社に支払うコストや、修繕費用なども必要になってきます。
コインランドリーを経営する
近年各地で増えているのがコインランドリーです。
洗濯機が普及した現代でも、雨の日や大量の洗濯物、家では洗えない大物などの洗濯で利用する方が非常に増えています。
メリット
- 常駐している必要がない
- 狭い土地でも始めやすい
- 安定的に収益が見込める など
店内に連絡先などを掲示しておけば、常駐している必要はありません。
また初期投資こそ必要ですが、それさえクリアできれば安定した収入を得ることができるでしょう。
デメリット
- まとまった費用が必要
- トラブルなどに対応する必要がある
- ひどく汚されるといったこともある
- 価格競争を強いられることがある など
洗濯機や乾燥機などの導入にある程度まとまった費用がかかります。
また汚物などで汚された場合、速やかに掃除する必要がありますので、常駐しなくてもよいとはいえ、駆けつけられる距離にいたほうがよいでしょう。
3.土地の活用方法の決め方と失敗しないためのポイント
土地を有効活用する方法はまだまだありますが、何を選ぶにしても最初に考えておきたいポイントがあります。失敗や後悔を防ぐためにもぜひ押さえておきましょう。
「何を重視するか」を考える
- 収益性
- 安定性
- 節税効果
- 初期投資の少なさ など
土地の活用方法を決める際、何を重視したいか考えておくと絞り込みやすくなります。
たとえば収益性重視ならアパート経営やマンション経営などが挙げられますし、安定性を求めるのであればシェアハウスの経営や太陽光発電用地などが挙げられます。
初期投資をできる限り抑えたいときは、月極駐車場や土地信託などが候補になってくるでしょう。
デメリット(リスク)をきちんと把握しておく
紹介してきた土地の有効活用方法にはすべて、メリットと同時にデメリットやリスクが存在します。
メリットだけで飛びついてしまうと失敗したり後悔したりするおそれがあります。
デメリットやリスクを正しく把握した上で、土地の活用方法を決定することが大切です。
立地や用途地域、建ぺい率といったこともリサーチしておく
そのエリアのニーズに沿った活用方法を選ぶためにも、立地や周辺環境などは入念にリサーチしておきましょう。
また都市計画法による用途地域をきちんと理解しておく必要もあります。
都市計画区域の建物の建築に対する制限のことで、工業系や住居系、商業系などいくつかの種類に分かれています。
そのほか、特にアパートやマンションなどを経営したいと思ったときは、その土地に建てられる建物の大きさを表す建ぺい率についても調べておくようにしましょう。
4.土地の有効活用はプロにアドバイスをもらおう
さまざまな土地の活用方法を紹介してきましたが、実際にどの方法がもっとも成功できる可能性があるのか、考えても分からず悩んでしまう部分です。
やはり、そのエリアのニーズや土地の特徴、建築プランや収益性などについて、土地活用のプロに相談し、じっくり検討した上で納得できる方法を選ぶことが大切です。