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ホテル経営による土地活用のメリット・デメリットについて解説

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一般的な土地活用として、アパートやマンション、駐車場経営、トランクルームなどがありますが、ホテルを経営するのも選択のひとつです。しかし「土地活用でホテル経営の具体的な方法がわからない」「ホテル経営でうまくいくかどうか不安」など、ホテル経営の土地活用について、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、ホテル経営による土地活用のメリット・デメリットやホテル経営にかかる費用、経営のポイントなどについて解説します。

ホテルの土地活用とは?

土地は使用していなくても所有しているだけで固定資産税が発生します。新たな土地活用として、ホテル経営も不動産投資の手法の一つです。ホテル経営は、宿泊施設を建てて、宿泊料によって収入を得ることができるビジネスです。土地所有者はホテルのオーナーとなりますが、ホテルの経営方式によって異なります。一般的には、サブリース方式とフランチャイズ方式があります。サブリース方式は、ホテルを所有しているオーナーからサブリース会社が一棟丸ごと借り上げ、運営委託という形で行います。フランチャイズ方式は、ホテルの所有者がフランチャイジー(加入者)となり、チェーンの本部に加盟料とロイヤリティを支払い、経営と運営を行う形態です。オーナーが直接ホテルを経営する方法もありますが、経営の知識が必要になるため、難易度が高くなります。

ホテル経営による土地活用のメリット・デメリット

メリット

・安定した収入が期待できる

立地にもよりますが、需要がある場所では安定した収入が期待できます。特に観光地や駅前などは、利用者が多くなる傾向にあります。コロナ禍で外国からの観光客が減少していましたが、2022年10月11日から新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、多くの外国人観光客の需要が見込まれます。最近の円安による影響により、より多くの宿泊客の増加が期待できるでしょう。また、ホテルはアパートやマンションと異なり、特殊な物件です。

ホテルを貸し出す際は、一般的に10年単位の契約になるケースがほとんどです。そのため、宿泊客が増え、継続的に満室となれば、毎月固定の安定した収入を得ることができます。

 

・ビジネスホテルとして活用できる

ホテルといっても観光客をターゲットにした投資だけではありません。立地が良い駅前にビジネスマンをターゲットとしたビジネスホテルを建てることも土地活用の一つです。観光庁「宿泊旅行統計調査」(令和4年7月・第2次速報、令和4年8月・第1次速報)によると、令和4年7月の客室稼働率は全体で47.8%、令和4年8月は全体で50.1%です。

 

施設タイプ別では、ビジネスホテルが58%、シティホテル48.7%、リゾートホテル46.3%となっており、ビジネスホテルが高い水準を誇っています。

(参考:観光庁「宿泊旅行統計調査」令和4年7月・第2次速報、令和4年8月・第1次速報)

ビジネスホテルは、出張時の利用に加えて、外国人観光客の利用も増加しています。

その理由として、客室単価が低い分、稼働率を上げて質の高いサービスを提供しているためです。

 

ただし、土地の大きさは60坪以上なければなりません。旅館業法では、1室あたりの部屋の広さは9㎡以上、客室数は10室以上備えておく必要があるのです。フロントやロビー、廊下などを含めると、延床面積は100~300坪程度は確保するのがよいでしょう。収益を考慮すると、30室以上は必要とされています。

 

デメリット

・競争が激しい

厚生労働省のホームページ「旅館業の概要」によると、2015年3月末現在の旅館業の営業許可施設数は、7万8,898施設であり、うち、ホテル営業施設数は9,879施設、旅館営業施設数は4万1,899施設あります。

(参考:厚生労働省「旅館業の概要」)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/seikatsu-eisei03/03.html

 

このように多くの競合が乱立している市場であるため、差別化を図らなければなりません。

 

・初期費用が高額

ホテルを建設するには、規模やエリアによって異なりますが、高額な初期費用がかかる可能性があります。国土交通省「2021年建築着工統計調査」によると、全国におけるホテルの建築費は、構造別に鉄骨鉄筋コンクリート造で143.2(万円/坪)と最も高い水準です。

続いて、鉄骨造138.0(万円/坪)、鉄筋コンクリート造112.5(万円/坪)と坪あたり100万円の水準を超えています。木造は64.7(万円/坪)と最も低い水準となっています。
(参考:国土交通省「2021年建築着工統計調査」)

https://www.mlit.go.jp/statistics/details/index.html

ホテル経営にかかる費用

・設備・物品購入費

ホテルの建設費以外にも各部屋の家具や什器などの設備費用がかかります。また、顧客の満足度を高めるために必要なアメニティなどの消耗品や物品の費用も準備しなければなりません。物品購入費などはコスト削減を重視しがちですが、顧客満足度を下げないような工夫も必要です。例えば、IT技術を用いた客室電話アプリや客室清掃管理システムなどでコストを抑える方法もあります。

 

・スタッフ採用などの人件費

ホテル経営には従業員を確保する必要がありま。清掃などのアルバイトスタッフや管理職など、多くの人件費がかかります。一般的には、開業から半年分の人件費を確保することがポイントです。

 

・宣伝広告費

ホテル開業後は、宣伝や販促が必要不可欠です。チラシの配布やインターネット上の広告掲載、SNSの活用など、さまざまな媒体での宣伝・販促が重要となります。特にSNSの活用は、費用をかけずに口コミが広がりやすい媒体なので積極的に活用しましょう。

ホテル経営のポイント

・ターゲットを明確にする

ホテル経営で大切なのは、ターゲットを明確にすることです。例えば、外国人観光客や国内のビジネスマンにするのか、あるいは格安ホテルにするのか、富裕層をターゲットにするのかなどです。ターゲットによって、提供するサービスなども異なります。

 

・エリアの選定

ターゲットが決まると、ホテルを経営するエリアの選定です。地域の特徴や交通アクセスなどを考慮しながら、入念な調査が必要になります。また、近隣ホテルの利用者層や利用目的などもチェックしておくとよいでしょう。

 

・サービス内容の決定

ターゲットとエリアが決まれば、それに合わせたサービス内容が重要です。例えば、サウナやマッサージルームの併設などです。ターゲットが求める以上のサービスを提供することで、顧客満足度を高められます。

 

・客室稼働率を把握する

客室稼働率とは、実際に利用した客室数を全体の客室数から割り出したものを指します。ホテル経営では、客室稼働率を上げ、常に満室に近い状態を維持していくことが大切です。

 

ホテルによって異なりますが、観光客をターゲットにしたホテルでは、秋の紅葉の10月頃がハイシーズンとなります。

 

このように空室対策として、年間を通じての客室稼働率やデータ分析が重要です。

まとめ

ホテル経営による土地活用は、安定した収入が期待できます。しかし、ターゲットやエリアの選定、顧客満足度を高めるサービスなど、開業前から具体的な計画が必要です。また、ホテル経営は、初期費用も高額になるケースも少なくありません。資金計画や集客のノウハウを身につけ、経営について常に学ぶ姿勢が大切です。

 

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