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【投資物件別】不動産投資の出口戦略パターンを解説|失敗しないためのポイントとは

不動産投資における出口戦略とは、「どのように高い価格と適切なタイミングで売却し利益を出すかを決める戦略」を際指します。単純に売却するよりも、「どのタイミングでどのように売るか」によって大きく売却益は変わります。

十分な家賃収入を得ていても、売却価格が初期費用よりもかなり低くなってしまえば、結果的には損となってしまいます。堅実に資産を構築するためには、家賃収入以外にも出口戦略が非常に重要となります。

この記事では、不動産投資における出口戦略の種類や、戦略作成のポイントなどをまとめました。不動産投資の出口戦略についてぜひ参考にして下さい。

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【種類別】不動産投資の出口戦略パターンとは

不動産投資の種類に応じて、選択すべき出口戦略は大きく異なります。ここからは、マンション、アパート、戸建て物件それぞれの出口戦略について解説していきます。

それぞれの物件も中古や新築によって戦略は異なります。1点ずつ確認しておきましょう。

区分所有マンションの出口戦略

マンションは、一棟アパートなどに比べて耐用年数が長く価値が下がりにくいことが特徴です。また、一棟アパートに比べても、必要な資金が少なく買い手の負担が少ないため、買い手が付きやすいです。

しかし、区分所有の投資物件としての供給量も多いため、購入段階からどのような出口戦略を取るか考えておく必要があります。

新築・中古マンションの出口戦略をそれぞれ確認しておきましょう。

ワンルームタイプとファミリータイプの比較

区分所有マンションは、ワンルームタイプとファミリータイプに分かれます。

ワンルームタイプは、買い手も投資家であることが多いため、家賃を高めにして、表面利回りを高めにするのがよいでしょう。特に供給量がワンルームマンションでは、利回り以外の差別化要因が、立地や環境要因ぐらいしかないため、購入段階での物件選びを慎重に行いましょう。

一方で、ファミリータイプの区分所有マンションは、買い手として、投資家と消費者の2つが考えられます。40平米以上の物件では住宅ローンをつけることができるため、ある程度きれいな状態を維持し、消費者向けに売却することができます。

投資家向けに売却を考えた場合、オーナーチェンジ物件として入居者を付けた状態で売却も考えられます。ただ、ワンルーム型に比べても資金力のある人が買い手となります。そのため、ワンルーム型に比べて、比較的出口戦略を立てにくい投資物件と言えます。

ワンルーム型とファミリー型だけでも、大きな違いがあります。物件のタイプによって、求められる立地や条件によって異なるため、専門家として慎重に戦略を作りましょう。

新築マンションの場合

  • 家賃収入できちんと利確し、売却する

新築マンションは広告宣伝費など(新築プレミア)が上乗せされているため、高めの購入価格に設定されています。そのため、すぐに売却しようと査定にかけても、そこまで高い値段になりません。むしろ新築プレミアが剥がれて、価格自体は購入時の価格よりもほとんどの場合で低くなります。

新築で資産価値が高いため、ローンも付けやすいですが、売却益を出すには購入時には家賃などの収支計画を考えた上で、慎重に選ぶ必要があります。

新築ならではの高めの家賃相場で、きちんと家賃収入を回収し、キャッシュを安定して獲得することが必要になります。売却のタイミングは、デッドクロス前のタイミングで売却できるようにするのがおすすめです。また、新築マンションは収益物件としてだけではなく、自己居住用(住んでいる人に売却する)に売却するという方法もあります。

新築マンションは、減価償却期間も長く残っているためローンが組みやすいため、買い手も付きやすいです。そのため、初心者でも売却がしやすく、資産の買い換えを出口戦略としてもよいでしょう。

中古マンションの場合

  • 安く仕入れ、付加価値を付けて、オーナーチェンジ物件として売却する

中古マンションは、ある程度老朽化し比較的価格が落ち着いているため、仕入れを安く抑えやすいため、出口戦略をきちんと考えれば収益を出しやすい投資物件です。

中古マンションは、築年数がたちローンが組みにくいことから、なかなか売却先が見つけにくいです。不動産としての資産性が低いため、買い手は収益性を重視します。そのため、リフォームやリノベーションを行い付加価値をつけて、相場よりも高めの家賃相場で入居者を獲得し、より高い利回りを実現することが売却のためには重要です。

新築に比べて物件価格が安いため、できるだけコストを抑えてポイントを抑えたリノベーションを行えば、より高い利回りを実現することも可能です。

自己保有で相続を出口戦略としない場合には、あまり凝ったリノベーションを行わずに、物件価格をあげすぎないようにすることがおすすめです。

1棟アパート・マンションの出口戦略

アパート物件は構造が木造であることが多いため、最長でも約20年前後のローンがつきます。特に中古アパートは買い手側にローンがつきにくいため、アパートは売却しにくいのです。

また、一棟型投資物件は買い手の費用負担も大きいため、買い手も投資家や投資会社が多くなってきます。そのため、流動性は低く、より綿密な出口戦略が必要になります。

ここからは新築・中古別にそれぞれの出口戦略について解説していきます。

新築アパート・マンションの場合

  • ローン残高が土地値以下になるまで経営し、いつでも利確できるようにする
  • オーナーチェンジ物件として満室売却

新築アパートの相続税対策効果は高いため、新築アパートの出口戦略は、相続であることが一般的です。しかし、相続後の出口戦略を考えておかないと、相続後に経営難になってしまうため注意が必要です。

先祖代々の土地などで売却しづらい場合には、ローン残高が土地値以下になるまで経営することで、いつでも損せずに賃貸経営ができる状態になります。まずは、土地値以下までローン残高が減るまでを目指して事業計画を考えましょう。

一方で投資用に新築アパートを購入する場合、収益性があまり見込めない場合には、ローン完済後更地化して売却。ある程度収益性が見込める立地であれば、建て替えやリフォームを行いながら長期的に安定した家賃収入が得られるように運用します。

ローン返済後は相続に備えて建て替えを行うか、完全に更地化し等価交換や土地信託、定期借地にすることもできます。

中古アパートとして売却を考えている場合、木造物件は資産価値が低いためローンがつきにくい分、買い手も付きにくく、判断もシビアになります。そのため、満室にし、大規模修繕前にオーナーチェンジ物件として収益性を高くして売却するなどが、主な出口戦略となります。

中古アパート・マンションの場合

  • オーナーチェンジ物件として満室売却
  • 更地化して土地活用

中古アパートを取得した場合の出口戦略は、売却もしくは更地化の2つです。立地がよく、リノベーション後に条件のよい家賃で入居者を集めることができる場合には、リノベ後に高利回りで経営し、6年(譲渡税が下がるタイミング)での売却を狙いましょう。

一方で、経営が難しい場合には、更地化し資産の買い換えや、等価交換や土地信託、借地化などを検討してもよいでしょう。中古アパートは建物の価値は低くても、土地自体の資産性は高いことも多いです。そのため、建物を解体し土地を担保に融資を引き、活用方法次第ではより高い収益を得ることもできます。

戸建て投資の出口戦略

  • 消費者向けにマイホームとして売却
  • 投資用物件として売却
  • 更地化して土地活用

戸建て賃貸物件の代表的な出口戦略は、居住者にそのまま売却するという方法です。長期的に居住しており、物件が実家として愛着がわいている場合には、居住者がそのまま購入することもあります。中古物件では住宅ローンがつきにくいため、売却価格は資金力に合わせて調整する必要があります。

また、戸建て物件の大きな特徴は、賃貸以外にも多くの活用方法に転用することができる点です。

物件をそのまま活用する際には、リフォームもアパート一棟やマンションに比べて、低コストで行うことができます。地方の物件でも、旅館業免許を付与し簡易宿泊所としたり、リノベーションして別荘やセカンドハウスとしても売却することができます。

また、更地化する場合もマンションよりも解体費用がかかりにくいため、転用にかかる費用を抑えることができます。

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不動産投資の出口戦略作成の3つのポイント

 

不動産投資では出口戦略が重要ですが、特に購入前にしっかり出口戦略を立てておくべきということが特徴的です。

ここからは、不動産投資の出口戦略を作成するための3つのポイントについて解説していきます。

建物の築年数

不動産投資では取得する物件の築年数がさまざまなことに影響を及ぼします。

まずは、築年数が古くなると、設備が古かったり汚れていたりして入居者を集めるのが難しくなります。空室率を維持するためには新しい設備に更新したり、外壁塗装したりするなど改修費用がかかってしまいます。

また、購入時の築年数が古いと、将来売却するときに高値での売却が難しくなるのが一般的です。不動産は築20年程度まではあまり物件価格が落ちないものの、一方で築30年を超えると価格が大きく下落してしまうことがあるといった特徴があります。

これは融資の問題にも原因があります。不動産を購入するとき、ほとんどの方が融資を受けて物件を取得しますが、融資の審査において築年数は非常に重要な要素で、これ次第で借入年数や、そもそも借りられるかどうかが決まります。

仮に融資の承認が得られたとしても、借入年数が短いと毎月の返済額が高くなり、キャッシュフローが悪化してしまうことにつながります。築年数の古い物件は、購入時はもちろんですが、売却時に買主がよい条件で融資を受けられにくくなることから、売却しづらくなってしまうのです。

こうしたことから、物件購入前から将来の売却も見据え、築年数が何年かをよく見極める必要があるのです。

減価償却費の変化のタイミング

減価償却とは、取得した不動産の価値を、購入後数年にわたって経費として計上できるというものです。簡単に言うと、1億円で物件を購入し、20年で償却していくのであれば、毎年500万円ずつ経費として計上できるといったものだと考えるとよいでしょう。

不動産投資で利益が出ると、その利益に対して税金が課されますが、減価償却を経費として計上することにより、納税額を大きく抑えることができるのです。

物件取得時には、この減価償却費が毎年いくらくらい、またどのくらいの期間受けられるかを確認することが大切です。

新築と中古では減価償却の扱いも異なります。新築の場合、減価償却の期間は法定耐用年数で決まります。

構造 法定耐用年数
RC造 47年
重量鉄骨造 34年
木造 22年

一方、中古の場合は以下の計算式で耐用年数が決まります。

(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

またすでに耐用年数を経過してしまっている場合は、以下の計算式を使用します。

新築時の耐用年数 × 0.2 = 取得時の耐用年数

例えば、築18年の木造物件を購入する場合、(22年-18年)+18年×20%=7年が耐用年数となります。

もちろん、新築物件であれば22年の耐用年数となりますが、築18年の木造物件であれば相応に物件価格も下がっているのが一般的で、こと築古物件においては中古物件の方が減価償却費がお得になることも多いです。

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短期譲渡所得と長期譲渡所得

不動産を売却すると譲渡所得として所得税と住民税が課されますが、売却した不動産の所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得として39.63%、5年超の場合、長期譲渡所得として20.315%と税率が2倍も異なります。

【短期譲渡所得】

譲渡所得×39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)

※復興特別所得税の税率は2.1%で、これを所得税に乗じた値となる

【長期譲渡所得】

譲渡所得×20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

このことから、将来の売却を見据える場合、基本的には長期譲渡所得の適用を受けられる5年超経ってから売却するべきであり、物件取得時からこのことを念頭に出口戦略を立てる必要があります。

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出口戦略で失敗しないための5つのポイント

不動産投資における出口戦略を成功させるポイントは、以下の5点です。

  • ローンの付きやすさを確認
  • レントロールを確認する
  • エリアの利回り相場と物件の利回りを比較
  • 自己資本比率を高めに設定
  • いつ売るのかを考える

1点ずつ確認していきましょう。

ローンが付きやすいか確認

不動産投資の一般的な出口戦略は、売却です。売却するためには買い手が付きやすい物件にすることが重要です。ローンがつくかで重要になるのは以下の3点です。

  • 築年数
  • 更地にしにくい
  • 違法建築か否か

新築以外の物件は、購入段階で耐用年数が減り資産性が下がっているため、ローンがその分短くなるため、買い手の返済負担が大きくなります。

中古物件にローンをつけるには、資産性ですでにハンデがあります。そのため、買い手は物件の収益性を見て購入判断をします。満室にすることや家賃相場を下げすぎずに運用することで、物件の収益性を維持しましょう。また、建物や設備の状態も、建物の資産性を見る際のポイントです。

物件の資産性が高く、経営状態が良ければ、ローンも組みやすくます。出口戦略を売却で考えている方は、買い手がローンをつけやすくなるように、工夫してみましょう。

レントロールを確認

レントロールとは、不動産の賃貸借条件を一覧表にしたものを指します。それぞれの 部屋・賃貸スペースごとに、家賃・敷金等、契約日・契約期間等の契約条件が記されています。

レントロールを確認すべきは、一棟型の投資物件を購入する場合です。例えば、8年前に入居したAさんは、月9万円で部屋を借りているとします。ところが、昨年入居したBさんは月7万円で入居していることがあります。

不動産会社や売り手側が提示している利回りが、Aさんの家賃を元にしている場合と、Bさんをもとにしている場合では、全く異なることがわかるかと思います。

一般的に、リフォームや修繕を行わない限り、家賃は最安値を徐々に更新していきます。そのため、中古の投資物件では、どれだけ家賃を維持し収益性を保てているかが出口戦略を左右します。

区分所有型であれば、家賃の確認がかんたんですが、一棟型の不動産を購入する際には、必ずレントロールを細かく確認しましょう。また、売り手となった場合には、敷金や礼金を減らしてでも家賃は維持するなど、レントロールを良い状態に保つことが重要です。

エリアの利回り相場と物件の利回りを比較

不動産には、エリアごとに利回りの相場がある程度決まっています。このエリアの利回り相場をキャップレート(還元利回り)と呼びます。

キャップレートは、購入する不動産の価格が、収益性とエリアの相場を加味した上で現実的か確認するために確認すべき数字です。

かんたんに言えば、エリアのキャップレートよりも、物件の利回りが高ければ、収益性の高い不動産ということができます。出口戦略を考えた時に、キャップレートよりも低い利回りの物件を購入してしまうと、買い手としては、利回りを得るためにより低い価格での購入を考えます。

しかし、このようにキャップレートが高い物件というのは誰もがほしい優良物件です。そのため、基本的にはキャップレートの低い物件を安く買い、空室を埋め利回りの高いオーナーチェンジ物件として、高値で売却するというのが基本的な戦略になります。

不動産を購入する際には、キャップレートよりも利回りがよい物件を購入するというより、キャップレートよりも高い利回りを出すポテンシャルがある物件か否かを基準に不動産を選ぶと出口に強い不動産投資を実現することができます。

売却しやすいように自己資本比率は高めにする

買い手がローンをつけやすくすると同時に、売り手自身が売却しやすくするように資金計画を練っておく必要があります。売却時には、ローン残金を支払いきる必要があります。ローンの残高を繰り越し返済することができない場合には、自己資本から持ち出しが必要になり、出口戦略は失敗となります。

近年の不動産投資では、フルローンやオーバーローンなどの自己資本比率が低くてもローンを組むことができます。これらの借入額の大きい資本計画は、借り入れにより相続税評価額を下げたい場合には有効な手法ではあります。

しかし、売却益を期待した出口戦略を考えている場合には、自己資本比率を上げることで、売却益をひきあげることができます。

相続、売却などの目的に応じて、適切な資産計画を作成するようにしましょう。

いつ売るのかを考える

次が売却に適したタイミングです。例えば、木造物件を購入するのであれば、売却時に築年数が30年超となっているなどすると、買主は融資を受けづらく、売却しづらい物件となってしまいます。

また、短期譲渡所得と長期譲渡所得で税率が異なることをお伝えしましたが、購入してから5年超経ったときの周辺相場や、物件の状態などを想定しておくことも大切です。

その他、築年数の経過や設備の不良など物件自体の価値が大きく下がるタイミングがいつかを想定したうえで、その前に売却する計画を立てることも大切です。

これは簡単なことではありませんが、不動産会社の担当者等、専門家のアドバイスを受けながら決めていくとよいでしょう。

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出口戦略は投資の入り口で考える

不動産投資における出口戦略についてお伝えしました。不動産投資の出口戦略では、物件取得前からしっかり計画を立てておくことが大切です。

具体的には築年数や減価償却、税率の問題など、本記事でご紹介したことを理解した上で物件選びをするようにしましょう。

また、出口戦略を成功させるためのポイントでお伝えした内容については、不動産会社の担当者等、専門家の力を借りながら進めていくことをおすすめします。

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