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相続前なら可能?別荘の相続放棄について解説します!

別荘を所有していた方がお亡くなりになられた際は、子供が相続することになります。
しかし「別荘を相続しても使用する機会がない」「売却の方法がわからない」
「別荘を相続したくない」など、別荘の処分や相続について悩まれる方もいるでしょう。

そこで今回は、別荘の相続や別荘を相続する前にできること、別荘を相続したあとの
対応などについて解説します。

 

そもそも別荘とは?

別荘とは、現在住んでいる自宅とは別に避暑地や避寒地など、レジャーや休暇を過ごすために
所有する住宅を指します。
一般的には、自然豊かな場所に建てられることが多く、リゾート地や温泉地などの観光地にも
別荘が多く見られます。また、別荘にはバーベキューやキャンプなど、アウトドアを楽しめる
施設が備わっているところも魅力的です。
別荘は一戸建てのイメージがありますが、リゾートマンションも存在しています。
所有者が自分で利用する以外にも賃貸や貸別荘としても活用されることもあります。

 

別荘の相続について

・相続税
別荘を所有する方が亡くなった場合は、法定相続人や遺言書によって指定された相続人が
相続することになります。
そのため、別荘を相続する場合は、相続税がかかります。相続税は、相続税評価額を用いて算出します。
相続税評価額とは、相続税を算出する際に基準となる課税価格です。
相続税法に基づき、税務署が算定します。
相続税の対象となる財産には、土地・建物などの不動産、自動車、現金、預貯金、有価証券などの
「プラスの財産」だけなく、借金、負債などの「マイナスの財産」があります。

一方、土地の評価方法は、「路線価方式」と「倍率方式」があります。

・路線価方式
路線価が定められている1㎡当たりの宅地の価額のことです。路線価は千円単位で表示します。
路線価にその土地の面積を乗じて算出します。その際に奥行距離や間口距離、不整形地か否かなど、
補正率を乗じて評価します。
国税庁のホームページに記載されている「路線価図・評価倍率表」で調べることが可能です。

路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」があります。
相続税路線価は、相続税や贈与税を算出する際に用いられる道路の価格です。
自宅や事務所などの土地が含まれるている場合は、相続税路線価を用いて算出します。
発表は、毎年7月頃です。一般的には、公示価格の8割程度となっています。
固定資産税路線価は、固定資産税や都市計画税、登録免許税、不動産取得税などを算出する際に
用いられる価格です。市町村(東京23区の場合は都)が算出します。
不動動産を所有していると、毎年、固定資産税を納めなければなりません。
その際に固定資産税評価額が求められます。
発表は、基準年の4月頃です。一般的には、公示価格の7割程度となっています。
固定資産税路線価は1円単位です。

・倍率方式
倍率方式は、路線価が定められていない地域で固定資産税評価額をもとに算出します。
固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価する方法です。

 

別荘の相続税評価額の算出方法について

別荘は不動産と同様に土地と建物にわけて算出します。

【別荘の土地の相続税評価額】
路線価地域の土地の相続税評価額=路線価×面積(㎡)×(各種補正率・加算率)

【別荘の建物の相続税評価額】
固定資産税評価額×1.0

 

 

別荘を相続する前にできること

・遺産分割協議
別荘は不動産であるため、相続財産として相続の対象となります。相続人が複数いる場合には、
遺産分割協議を行う必要があります。
しかし、不動産は現金のように簡単に分割することができません。そのため、遺産分割が
スムーズに進まないケースも考えられます。遺産分割協議は、必ず全員で行わなければなりません。
遺産分割の期限はありませんが、相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に
相続税の申告を行う必要があります。
遺産分割協議がまとまらない場合は、別荘が共有状態のままになってしまいます。
共有状態になると、売却や賃貸を検討する際に意見の対立などでトラブルになるケースも
めずらしくありません。

 

・相続放棄する
相続放棄とは、被相続人の財産について一切の権利を放棄することです。
つまり、被相続人の一切の権利を放棄するため、空き家となっている別荘のみを相続放棄
することは困難です。
そのため、被相続人の相続財産をすべて放棄するということであれば、別荘も含めて相続放棄が
可能になります。相続放棄を行う際は、家庭裁判所に相続放棄する旨を申述しなければなりません。

 

相続放棄の期限

・熟慮期間内に行う必要がある
相続放棄は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります。(熟慮期間内)

 

期限を超えると「単純承認」とみなされる

この期間をすぎると単純承認を行ったとみなされます。
単純承認とは、被相続人の相続財産を無条件ですべて相続することです。
つまり、プラスの財産とマイナスの財産どちらも相続することになります。
単純承認については、特別な手続きは必要ありません。
また、相続放棄をする前に相続財産を処分してしまった場合でも単純承認とみなされます。
たとえば、被相続人名義の不動産や動産の譲渡・名義変更、預貯金の解約・払戻し、
携帯電話等の名義変更、解約、株式の議決権行使、賃料物件の解約などがあります。
ただし、熟慮期間内に「相続放棄における熟慮期間の伸長」の申し立てを行うことで、
さらに3ヶ月の延長が可能です。

別荘を相続したあとの対応

別荘を相続すると、一般的には、相続人がそのまま所有するか売却するかの選択になります。

相続人が所有するケース

相続人が所有する場合は、セカンドハウスやゲストハウスにする方法があります。

・セカンドハウス
セカンドハウスは、毎月1日以上、生活のために定期的に居住用として使用することです。
避暑や休暇など、娯楽として楽しむことを目的に使用します。
セカンドハウスは税制面で優遇を受けられる一般住宅と同様の条件で不動産取得税の
軽減措置の対象となる場合があります。

 

・ゲストハウス
新型コロナの規制緩和などの影響により、国内旅行者だけでなく、多くの外国人観光客が
日本を訪れるでしょう。そこで、ゲストハウスでは、外国人観光客を対象に宿泊施設として
貸し出す方法もあります。
戸建ての別荘は「貸別荘」とも呼ばれています。ゲストハウスでは賃料収入が魅力的です。
ただし、セカンドハウスやゲストハウスには、建物の維持・管理費用が発生します。

 

売却

売却は、不動産仲介業者に依頼するのが一般的です。
別荘の近くにある、地域密着型の不動産仲介業者に依頼すると、相場や周辺環境などの
より細かな情報を得られるかもしれません。また、別荘の買取販売を専門に行う不動産業者もあります。
いずれにしても、別荘を売却する際は複数の不動産仲介業者を比較しながら選ぶ必要があります。
中でも別荘の売却を得意とする専門知識や経験がある不動産仲介業者に依頼するとよいでしょう。

 

まとめ

相続人が複数人いる場合には、遺産分割協議を行う必要があります。
協議がまとまらない場合は、別荘が共有状態のままになってしまいます。
売却や賃貸を検討する際は、意見の対立などでトラブルになるケースもめずらしくありません。
そのため、別荘を相続する前に相続放棄をすることも一つの方法です。
相続放棄を行う際は、家庭裁判所に相続放棄する旨を申述しなければなりません。
この期間をすぎると単純承認を行ったとみなされます。相続財産を処分してしまった場合でも
単純承認とみなされるのです。
ただし「相続放棄における熟慮期間の伸長」の申し立てを行うことで、さらに3ヶ月の延長が可能です。
別荘を相続したあとは、相続人がそのまま所有するか売却するかの選択になるでしょう。

弊社では、貸別荘・ゲストハウスの総合的なコンサルティング・サポートを事業として営んでいます。
もしも興味があるなら、是非ともを貸別荘を検討してみてはいかがでしょうか。
古民家を活用した宿泊業についての相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。

 

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