保養所の節税メリットやデメリットを解説!法人で別荘を所有する際のおすすめ活用法もご紹介
「法人で別荘を購入し保養所として節税対策をしたい」
「別荘の購入が節税対策に有効か知りたい」
「法人所有の別荘を有効活用する方法を知りたい」
このように考えている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
法人名義で別荘を購入した場合、保養所などの福利厚生施設として利用すれば、節税対策として有効です。
一方、利用状況によっては福利厚生費用として認められず、追徴が発生する可能性があります。
本記事では保養所のメリットやデメリット、法人で別荘を購入する場合の有効活用法について解説します。
法人経営において節税対策を行うことは、会社の資金を有効活用するためには重要なポイントです。是非、本記事を参考に経営に活かしてみてはいかがでしょう。
法人で保養所を所有するメリット
法人名義で別荘を購入した場合、保養所として利用すると節税メリットがあるものです。
ここでは、法人で保養所を所有するメリットについて以下の通りご紹介します。
- 保養所の維持・管理費用は福利厚生費として経費計上できる
- ESの向上につながる
保養所の維持・管理費用は福利厚生費として経費計上できる
法人名義で別荘を取得し「保養所」として利用する場合、維持・管理費用については福利厚生費として経費計上可能です。
こうした費用を経費計上できれば所得額が減らせるため、法人税等の節税につながります。
また、取得費用のうち、建物部分については減価償却費として耐用年数に応じた経費計上が可能です。建物購入に付随して発生した登記費用や所有中に生じる固定資産税なども経費として計上できます。
このように経費計上できる費用が増えて節税につながる点は保養所を所有するメリットとしてあげられるでしょう。
ES向上につながる
保養所を所有するメリットとしてES向上につながる点もあげられます。
ESとは「従業員満足度(Employee Satisfaction)」の略であり、職場環境や働きがい、福利厚生面など従業員の満足度を表す指標です。
働き方改革などの観点から、近年はESを重視する企業が増加しています。労働人口も減少しており、従業員1人1人が働きやすい環境、満足度の向上を図るのは企業にとって非常に大切です。
福利厚生の一環として保養所を無償もしくは割安な価格で提供できれば、ES向上を図るうえで有効な手段となるでしょう。
従業員の働く意欲が向上すれば、業務やサービス品質の向上につながり、結果的に業績アップにつながるかもしれません。
こうした点も法人で保養所を所有するメリットとして考えられるでしょう。
法人で保養所を所有するデメリット
法人で保養所を所有するメリットについてお伝えしました。
では、デメリットとしてはどういった点が考えられるのでしょうか。
ここでは、法人で保養所を所有するデメリットについて以下の通りご紹介します。
- 給与所得として課税されるケースがある
- 所有し続ける限り固定費がかかってしまう
- 時代にそぐわなくなっている
給与所得として課税される可能性がある
保養所のデメリットとして、場合によっては給与所得として課税されてしまうケースがあげられるでしょう。
例えば、購入した保養所が社長や役員しか利用できない場合や経済的な利益が大きすぎる場合、福利厚生施設として認められません。こうした場合には、社長や役員に対する現物給与として課税される可能性があります。
このように福利厚生施設として認められるためには、一定の要件をクリアしなければならない点はデメリットといえるでしょう。
所有し続ける限り固定費がかかってしまう
所有し続ける限り固定費がかかってしまう点もデメリットとしてあげられます。
福利厚生の一環として保養所を所有するのは、従業員にとってもありがたいことでしょう。しかし、保養所の管理やメンテナンスなどの費用は、保養所を所有し続けている限りは発生し続けるものです。また、保養所は寮などに該当するため、法人住民税の均等割の対象として申告する必要があります。
保養所を所有することでESの向上などのプラスの面は考えられますが、保養所が実質的な利益を生むものではありません。
経営が良好な間は節税効果も期待できますが、経営が悪化した際には足かせになってしまう可能性も考えられるでしょう。
時代にそぐわなくなっている
時代にそぐわなくなっている点もデメリットとしてあげられます。
バブル期には多くの企業において保養所が建設され、リゾート地に無償もしくは割安で宿泊できるため、従業員の家族旅行に利用されるケースも多かったでしょう。
しかし、現在はホテルの形態も多種多様であり、場所や利用条件が限定される保養所は時代のニーズにそぐわなくなってきているのです。
結果的に利用する頻度が減り、維持費用もかさんでしまうなど、保養所を所有している意味がなくなってしまう可能性も否めないでしょう。
保養所として認められるための3つのポイント
保養所を所有するデメリットについてお伝えしました。
保養所を所有する場合、保養所として認められるためのポイントがいくつかあります。
ここでは、保養所として認められるための3つのポイントをご紹介しますので、それぞれ見ていきましょう。
- 金額の妥当性
- 機会の平等性
- 社内規定の整備と利用実績の記録
金額の妥当性
保養所として認められるには、施設利用で得られる利益が大きくないことがポイントです。無償で利用できたり、有料であってもあまりにも豪華な建物や設備だったりした場合には福利厚生として認められず、給与所得として課税される可能性が考えられます。
具体的な利用料金がいくらなら問題ないといった決まりもないため、判断が難しいところですが、常識の範囲内で設定する必要がある点には注意しておきましょう。
機会の平等性
従業員全員が利用出来る環境であるかどうかも重要なポイントといえます。デメリットでもご紹介したように、社長や役員しか利用できない場合や従業員全員が利用できると明示していない場合、認められないケースが考えられます。
福利厚生として認められず、給与とみなされた場合には、給与所得に対し課税されるだけでなく、法人税法上でも経費不算入とされる可能性があるでしょう。
社内規定の整備と利用実績の記録
社内規定の整備と利用実績の記録を取っているかどうかもポイントです。
社内規定に保養所として明記され、尚且つ利用実績の記録が取ってあれば、税務調査が行われた場合の対策にもつながります。
法人で別荘を購入し保養所として利用する場合には、こうした点に注意しておきましょう。
法人で別荘を所有するなら貸別荘事業がおすすめ!2つの理由をご紹介
保養所として認められるための3つのポイントをお伝えしました。
保養所には節税効果やES向上といったメリットが期待できるものです。一方で、デメリットや認められるためにクリアすべき要件があるなど難しい点も少なくありません。
そのため、実際に法人で別荘を所有するのであれば、貸別荘事業がおすすめです。
ここでは、法人で別荘を所有するなら貸別荘事業がおすすめできる2つの理由についてご紹介します。
・事業目的だから管理費や維持費も経費計上可能
・人に貸すことで建物の劣化も防げる
事業目的だから管理費や維持費も経費計上可能
貸別荘事業として所有すれば、事業目的として管理費や維持費を経費として計上可能です。
保養所として利用する場合、一部の従業員のみの利用となると福利厚生費用として認められない可能性が考えられます。一方、貸別荘なら事業用投資(宿泊業)としての別荘取得のため、管理費や維持費などを経費として計上することが認められます。
また、貸別荘として貸し出すことで賃料収入も期待できるでしょう。
利用客の多い時期には貸別荘として活用し、それ以外には従業員の保養所として利用すれば、節税対策と福利厚生の充実につながるなど一石二鳥です。
人に貸すことで建物の劣化を防げる
人に貸すことで建物の劣化を防げる点も貸別荘事業がおすすめできる理由としてあげられるでしょう。
建物は長い間利用していないと劣化が進むものです。定期的に清掃が行われれば、建物も綺麗に保たれますが、利用されないままでいると換気が十分になされずにカビが発生したり、空気が澱んだりと建物に良くありません。
また、シロアリなどが発生しても気付かず、いつの間にか建物が朽ちてしまっていたというケースも考えられるでしょう。
貸別荘として貸し出せば、定期的に清掃や空気の入れ替えが行なわれるため、建物の劣化が防げるのです。
こうした点からも貸別荘として利用するのはおすすめできます。
まとめ
本記事では、保養所の節税メリットやデメリット、法人で別荘を所有する場合のおすすめの活用法をお伝えしました。
保養所の取得は、節税効果や従業員の福利厚生の一環として有効なものです。しかし、デメリットも多く、時代にそぐわなくなりつつあるといえます。
そのため、法人で別荘を所有するのであれば、節税効果も期待でき、有効的に活用できる貸別荘事業がおすすめです。
法人で別荘を取得して節税対策を検討しているのであれば、貸別荘事業を検討してみてはいかがでしょうか。