ゲストハウスオーナーになるには?開業方法・必要なスキル・仕事内容について解説!
ゲストハウスは海外利用者や若者から人気を集めているトレンドのビジネス。近年では個性的・魅力的なゲストハウスが多く登場してきており、自身もオーナーになってみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
当記事では、ゲストハウスの開業方法・必要スキル・主な仕事内容・オーナーとして成功するポイントなど、これからゲストハウスオーナーになりたい方に有益な情報を発信していきます。ゲストハウスオーナーに興味のある方は、ぜひご参考下さい。
ゲストハウスとは?
ゲストハウスとは、共用リビング・共用スペースを有した、旅館業法による簡易宿所に該当する宿泊施設のことです。ホテルや旅館とは大きく異なる次のような特徴を持っています。
・宿泊費が非常に安い
・素泊まり1泊からの利用が可能
・個室ではなくドミトリーに宿泊するのが一般的
・他の利用者との繋がりや交流を楽しむ
・国内外からさまざまな利用者が集まる
民泊仲介サイトの普及やモデルケースとなる成功事例が登場したことを契機にブームとなり、現在では日本全国で多数のゲストハウスが運営されています。
近年では単に簡易的な宿を提供するのではなく、空き家をリノベーションしたり、地域の食材を使用した料理を提供したりといった、個性的・魅力的なサービスを提供するゲストハウスが増えてきています。
ゲストハウスオーナーになるために必要な資金
ゲストハウスオーナーになるには、初期費用・運転資金という2種類の資金を用意する必要があります。ここでは、それぞれの資金についての概要と相場について解説します。
事前にどのような資金をどの程度用意しておけばよいのか把握しておきましょう
初期費用
ゲストハウスの開業時には物件取得費・内外装費・設備費・備品費といったさまざまな費用がかかるため、初期費用として500~1,500万円程度の資金が必要です。
特に物件取得費・内外装費は金額が大きいため、新たに物件を取得する場合には多めに資金を用意しておく必要があります。
宿泊施設としては比較的低コストで開業することができますが、自己資金のみで初期費用を賄うことはやや難しいため、足りない資金は融資等で補う必要性もでてきます。
運転資金
ゲストハウスの運営には、広告宣伝費・水道光熱費・地代家賃といったさまざまな経費が必要となります。開業初期は集客に苦労したり思うように稼働率を上げられない可能性もあるため、運転資金として3~6ヶ月分を用意しておくことが重要となります。
平均的なゲストハウスの運転資金は、1ヶ月あたり40~60万円程度です。生活費も含めて200~300万円程度は運転資金として確保しておきましょう。
ゲストハウスを開業する流れ
ゲストハウスを開業するには相応の準備が必要となります。スムーズに開業に至るためには、開業の方法・流れについて事前に把握しておくことがポイント。
以下にご紹介していますので、ゲストハウスを開業してオーナーになりたい方は、ぜひご参考下さい。
コンセプト・方向性の決定
ゲストハウス開業の最初のステップは、コンセプト・方向性の決定です。オーナーとしてどのようなゲストハウスを作りたいのかをできるだけ詳細に検討します。
・ターゲット層は?
・内外装・設備は?
・どのような宿泊サービスを提供したいのか
コンセプト・方向性を先に固めておくことで、開業までに行う準備も迷うことなくスムーズに進めることが可能となり、理想とするゲストハウスを実現できる可能性も高めることができます。
コンセプト・方向性でゲストハウス開業の成否は大きく分かれるため、時間をかけて徹底的に検討しておきましょう。
事業計画・ビジネスモデル設計
ゲストハウスはビジネスであるため、売上をあげなければ継続していくことができません。そのため、開業後にどのようにゲストハウスを運営してどのように収益を上げていくのかという事業計画・ビジネスモデルを設計しておくことも、オーナーとしての重要な仕事となります。
事業計画・ビジネスモデルを細部まで突き詰めたら、事業計画書に落とし込んで具体化しておきましょう。
資金調達
ゲストハウスの開業には、先にご紹介した通り工事費用や設備投資といった初期費用に加えて数ヶ月分の運転資金が必要です。自己資金で賄えない場合は、以下のような方法で資金調達を行っておきます。
・銀行からの融資
・日本政策金融公庫からの融資
・クラウドファンディング
ゲストハウス開業後はスムーズに売上があがるとは限らないため、自己生活資金も含めて運転資金には余裕を持たせておくことが重要となります。
エリア・物件選定
コンセプト・ビジネスモデル・事業計画を実現できるエリア並びに物件の選定を行います。都市部・観光地に位置するほど集客性には優れていますが、そのぶん物件取得価格も高くなるため、コストとパフォーマンスのバランスを見て最適なエリアを選定します。競合の数や強弱についても同時にチェックしておくことがポイントです。
エリアが決まったら、条件に合う物件のピックアップを行い、物件の間取り・状態などを細かくチェックして取得する物件を決定しましょう。
エリア・物件の選定は、ゲストハウスの成否に最も大きな影響を与える要素であるため、焦らずに時間をかけて検討することが重要です。
許認可取得
ゲストハウスを開業するには、次のような許認可を取得しておく必要があります。
・営業に関する許認可
旅館業法の営業許可
・建物に関する許認可
建築基準法に関する申請
・安全性に関する許認可
消防法に関する申請
許認可を取得せずに営業を行ってしまうと違法営業となり、ペナルティや営業停止のリスクがあるため注意が必要です。
物件・サービス内容によって必要な手続は異なり、各種手続きは煩雑で時間もかかるため、早めに着手しておくようにしましょう。
内装・外装工事
ゲストハウスのコンセプトに従い、必要な内装・外装工事を行います。リフォーム・リノベーションはゲストハウスの開業に必須ではありませんが、競合との差別化や自施設の魅力向上のためにも、可能な範囲内で実施しておくことがポイントとなります。
工事は申請内容に基づいて行う必要があるため、業者へ依頼する際には要件と一緒に申請内容も伝えておくようにしましょう。
設備・備品の整備
内装工事が完了したら、ベッド・テーブル・イス・インテリア・家電・空調等のゲストハウスの運営に必要な設備・備品を施設内へ運び入れて配置します。
設備・備品の調達・手配には時間と手間がかかるため、内外装工事が行われている間に徐々に進めておくと良いでしょう。
立ち入り検査
工事が完了して設備・備品も整ったら、営業開始する前に行政による立ち入り検査を通過する必要があります。保健所・消防署等により、施設が利用者が安全に宿泊できる状態であるかをチェックされます。
検査を通過するには生活面・衛生面・防災面で一定の基準を満たしている必要があるため、立ち入り検査を行う前にあらかじめ対策を行っておきましょう。
営業開始
立ち入り検査に通過したら、いよいよゲストハウスの営業開始です。民泊サイト・SNS等でお客さんを集め、ゲストハウスオーナーとしての第一歩を踏み出しましょう。
ゲストハウスオーナーの仕事内容
ゲストハウスオーナーは、具体的にどのような仕事を行っているのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ゲストハウスオーナーの1日のタイムスケジュール・ルーティンの一例をご紹介します。
6:00
起床 予約処理・事務処理
7:00
フロントオープン
共用スペース清掃
8:00
利用者との交流・地域案内・観光案内等
10:00
客室清掃
ベッドメイキング
トイレ・シャワールーム清掃
12:00
休憩時間
仮眠
15:00
チェックイン業務
予約処理
経費管理
販促・集客業務
利用者との交流・接客
21:00
ゲストとの交流
23:00
消灯
帰宅
拘束時間は長めとなりますが、時間の使い方を工夫すればワンオペでも運営できるのがゲストハウスの大きなメリット。負担に感じる場合は、スタッフを雇用して時間的・体力的な余力を生み出すという方法もあります。
ゲストハウスオーナーに必要なスキル
ゲストハウスオーナーとして仕事を行うにあたって、必須となる資格・スキルというものはありません。しかし、以下にご紹介するようなスキルを有しておくと、ビジネスをスムーズに進めることが可能であり、成果にも繋げやすくなるためおすすめです。
ゲストハウスオーナーとして活躍したい方は、ぜひご参考下さい。
マーケティング・集客スキル
ゲストハウスは客単価が低いビジネスであるため、いかに高い稼働率を維持するかが経営を安定化させる重要なポイント。そのため、ゲストハウスオーナーは常に利用者で賑わうようにマーケティング・集客のスキルを身に付けておくことが非常に重要です。
ゲストハウスのマーケティング・集客は、以下のようなインターネットを活用した方法がメインとなります。
民泊仲介サイト
ゲストハウスの主要集客手段。複数のサイトを並行して利用することで、高い集客効果を発揮できる。
SNS
情報拡散性に優れており、手軽にコミュニケーションが取れるのが大きな特徴。オーナーだけでなく利用者にも投稿してもらうことで、ゲストハウスの特徴・魅力を効果的にアピールできる。
上記媒体を活用して接客的に情報発信を行い、予約に繋げましょう。口コミだけで自動的に集客できるようになると理想的です。
接客スキル
ゲストハウスは、オーナーの個性や人柄がビジネスに色濃く現れるキャラクタービジネスの側面を持ち合わせています。そこで重要となるのが、接客スキルです。
オーナーの接客スキルはゲストハウスの魅力・個性・雰囲気にダイレクトに影響を及ぼし、それに惹かれて集まってくる利用者も多くいるためです。
・利用者の要望・ニーズに応える
・フレンドリーなコミュニケーションを心掛ける
・独自サービスを提供する(バー・小料理・ゲーム等)
利用者を楽しませるおもてなしの心を持って、利用者の満足度向上に繋がる接客を行いましょう。
語学スキル
外国人利用者をターゲットとする場合に重要
語学に長けている方が接客・集客に優位
ゲストハウスは外国人利用者が好んで利用する宿泊施設であるため、語学スキルを持っていると、施設運営において優位に働きます。
語学スキルが役立つ主なシーンは次の通り。
・接客・サービス提供の質を高めることができる
・トラブル発生時にもスムーズに解決できる
・外国語での情報発信・集客ができる
外国人利用者に対しても抵抗を感じず迎え入れられることは、ゲストハウスオーナーにとって大きなメリットでしょう。
多言語に対応することは難しいため、語学スキルを身に付けるのであれば汎用性の高い英語からスタートするのがおすすめです。
ゲストハウスオーナーとして成功するポイント
ここでは、ゲストハウスオーナーとして成功するために押させておきたいポイントについて解説します。オーナーとして成功する可能性を高めるためにも、ぜひご参考下さい。
ターゲットに合ったサービスを提供する
競合が多いビジネスであるゲストハウスで成功するには、利用者により良いサービス・体験を提供して満足度を高めていく必要があります。利用者の満足度が高まればリピートの促進にもなりますし、よい口コミも生まれて集客にも繋げることができます。
そのために重要なポイントが、自ゲストハウスのターゲットに合ったサービスを提供することです。万人受けをする無難なサービスを提供するよりも、的を絞った方がサービスのコンセプトや独自性が強調されるため、満足度向上に繋がりやすいためです。
より良いサービス提供は顧客理解から始まります。成功するオーナーを目指すのであれば、利用者がどのようなサービス・体験を求めているのか把握することから始めましょう。
利益をしっかり確保することを忘れない
ゲストハウスオーナーになる方は、ゲストハウスの運営や利用者との交流が好きで、それ自体が目的となっているケースが多くあります。もちろん悪い事ではないのですが、ビジネスとしてゲストハウス運営を続けていくためには、しっかりと利益を確保することを忘れてはなりません。
短期・中期・長期で売上・利益の目標の設定を行い、客単価・稼働率・稼働日数・月間売上・経費といった数字を把握しながら、目標を達成できるような運営を行う必要があります。
上質なサービスの提供と同時に利益を確保してこそ一人前のオーナーです。長期的にオーナーとして活躍するためにも、利益を確保しながらゲストハウスを運営していきましょう。
まとめ
ゲストハウスオーナーになる方法・仕事内容・成功のポイントについてご紹介してきました。ゲストハウスは、現在多くの事業者が参入しているトレンドのビジネス。アフターコロナでの宿泊ニーズのリバウンドが期待できるため、オーナーを目指すのであれば今が参入のチャンスと捉えることもできます。
ゲストハウスは自力で開業することも可能ですが、的確かつスムーズに開業したいのであれば、専門家の意見を参考にするのもおすすめ。弊社では、ゲストハウスの開業・運営について総合的なコンサルティング・サポートの提供を行っています。ゲストハウスオーナーに興味がある方や、ゲストハウスビジネスで成功したい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。