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シェアハウス事業に事業再構築補助金は活用できる?補助金の対象になるものならないもの

 

シェアハウス事業は、通常の戸建て賃貸に比べて、収益性が高く、空室リスクが低い点が魅力な不動産事業です。

コロナ禍にシェアハウス事業を開始したい場合、事業再構築補助金の活用が検討できます。

事業再構築補助金は、コロナ時代に新しい事業を開始する中小企業や個人が受け取れる補助金です。

しかし、シェアハウス事業で事業再構築補助金を利用する時にはさまざまな注意点があります。

補助金についてしっかり理解したうえで、シェアハウス事業を開始することを検討しましょう。

事業再構築補助金とは

コロナ感染症の長期化やウクライナ情勢による物価高といった厳しい経営環境で、新規事業への参入、業種転換といった「事業再構築」に挑戦する中小企業や個人を支援する制度が事業再構築補助金です。

事業再構築補助金の支給を受ける要件は以下のとおりです。

 

  • コロナ前と後で売上高が10%以上減少している
  • 認定経営革新等支援機関等と共同で事業計画書を策定する
  • 中小企業者等(個人含む)及び中堅企業等

 

以上の要件を満たした事業者が下記の「事業再構築」に取り組む場合に補助金の支給を受けることができます。

 

  • 新分野展開
  • 業態転換
  • 事業・業種転換
  • 事業再編
  • 上記の取組を通じた規模の拡大

 

事業再構築にかかる費用の最大3/4が補助されるので、自己負担を最小化して、新しい事業を開始できる点が魅力です。

シェアハウス事業は事業再構築補助金の対象になるのか

シェアハウスとは、1つの住宅を複数の入居人がシェアして借りる賃貸住宅です。キッチンやリビングや風呂場は共用です。

1つの住宅を貸し出すことで、複数の入居人から賃料を受け取ることができる魅力的な不動産投資です。

シェアハウス事業は事業再構築補助金の対象になるのでしょうか。

 

結論から言うと、付加価値のあるシェアハウスであれば、事業再構築補助金の対象になる可能性が高いです。

 

「事業再構築」の結果として、シェアハウスを開始する場合に事業再構築補助金の対象になることが考えられます。

ちなみに事業再構築補助金の支給対象である中小企業者等には「個人」も含まれるので、法人だけではなく、個人であってもシェアハウス事業を経営する場合に事業再構築補助金の対象になります。

シェアハウス事業で費用な経費と補助金の対象経費

シェアハウス事業を開始する時にさまざまな経費が必要になります。

現在、保有する不動産の状況によって異なりますが、必要な経費として以下が想定されます。

 

  • シェアハウス用の住宅を建築する土地の取得費用
  • シェアハウス用の住宅の建築費用
  • 営業許可取得のための専門家費用
  • 住宅のリフォーム費用
  • 設備や家具の購入費用
  • 入居者募集の宣伝費用

 

これらの経費のうち事業再構築補助金の対象となる経費はどれでしょうか。

事業再構築補助金では、以下の補助対象経費が規定されています。

 

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費、
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費

 

シェアハウス事業を開始する時に必要になる経費と補助金の対象となる経費について見ていきましょう。

シェアハウス事業で対象になる経費

シェアハウス事業の必要経費のうち補助金の対象経費となると推定されるのは以下のとおりです。

 

  • シェアハウス用の住宅の建築費用
  • 住宅のリフォーム費用
  • 営業許可取得のための専門家費用
  • 入居者募集の宣伝費用

 

「建物費」は以下のように定義されています。

 

  1. 専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費 
  2. 補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費 
  3. 補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費 
  4. 貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸 店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)

 

住宅の建築費用やリフォーム費用は1.の定義に該当し、「建物費」とみなされると想定されます。

 

「専門家経費」は「本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費」と定義されています。

シェアハウスの運営には旅館業法の「簡易宿所営業」の許可を受ける必要がある場合があります。

「簡易宿所営業」の許可の代行を依頼する弁護士や行政書士の報酬は「専門家経費」として補助を受けられるでしょう。

 

「広告宣伝・販売促進費」は以下のように定義されています。

 

本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、 動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含 む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール 活用等に係る経費

 

シェアハウスの入居者募集のために広告宣伝を実施することがあるかもしれません。

入居者募集の広告費用は、「広告宣伝・販売促進費」に該当するでしょう。

シェアハウス事業で対象にならない経費

一方で補助金の対象経費にならないと推定される経費は以下のとおりです。

 

  • シェアハウス用の住宅を建築する土地の取得費用
  • 設備や家具の購入費用

 

土地の取得費用は事業再構築補助金の対象経費に含まれていません。

これから土地を取得して、シェアハウスを経営する場合、土地取得費用が経費の大きな割合を占めますが、残念ながら対象経費となりません。

したがって、遊休地の保有者が土地を有効活用してシェアハウス事業を開始することがおすすめです。

または土地を賃貸して必要経費を抑えるといった工夫が必要になるでしょう。

 

公募要領では、補助対象外の経費の一つとして以下の記載があります。

 

汎用性があり、目的外使用になり得るもの(例えば、事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフトウェア、タブレット端末、スマートフォン及びデジタル複合機、家具等) の購入費

 

シェアハウスに設置する設備や家具の購入費用については、補助対象外の経費となるでしょう。

シェアハウス事業で事業再構築補助金を利用したい時の注意点

「事業再構築」の結果として、シェアハウス事業を開始する場合、補助対象となる経費については、事業再構築補助金を利用することができます。

しかし、シェアハウス事業を経営する際に必ず事業再構築補助金を利用できるわけではありません。

「事業再構築補助金の対象になると思って、シェアハウス事業を始める準備をしたのに結局補助対象にならなかった」とならないように事業再構築補助金をしっかり理解しておきましょう。

シェアハウス事業に付加価値をつける必要がある

事業再構築補助金の公募要領では、不採択又は交付取消となる事業について以下を挙げています。

 

  • 専ら資産運用的性格の強い事業 
  • 建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業

 

直接的な名指しはしていませんが、不動産賃貸業は、事業再構築補助金の対象にならないと考えられます。

一戸建ての賃貸や一軒家貸切といった「投資」の側面が強いシェアハウス事業は対象にならない可能性が高いです。

一方で、コテージ(貸別荘)やコンドミニアムといった観光業の側面が強い中長期の宿泊施設としてシェアハウスを運営する場合には、一棟貸しなどの一般的な不動産賃貸業と差別化されて、採択される可能性が高まるでしょう。

新築のシェアハウスの建築費用は対象にならない可能性がある

シェアハウス用の住宅の建築費用やリフォーム費用は「建物費」として、事業再構築補助金の対象経費に含まれます。

しかし、新築の建物について但し書きで、「建物の新築については必要性が認められた場合に限る」とあります。

つまり、新築の必要性が認められない限り、事業再構築補助金の支給対象になりません。

具体的には、「新築の必要性に関する説明書」を提出することで、「補助事業の実施に真に必要不可欠であること及び代替手段が存在しない」ことを証明する必要があります。

 

中小企業庁は、新築の建物費について、「事業再構築補助金 令和3年度補正予算の概要」において新しい方針を示しました。

 

「建物費」については、原則、改修の場合に限ることとし、新築の場合には、一定の制限を設ける。

 

これによれば、シェアハウス用の住宅の建築費用は、「建物費」として支給される可能性が低いです。

新築ではなく、中古物件を購入し、リフォームすることを検討しましょう。

現在のシェアハウス事業を継続しても対象にならない

事業再構築補助金の支給対象となるのは、コロナ時代に「事業再構築」に取り組んでいると認められる事業です。

該当する事業は以下のとおりです。

 

  • 新分野展開
  • 業態転換
  • 事業・業種転換
  • 事業再編
  • 上記の取組を通じた規模の拡大

 

したがって、現在シェアハウス事業を運営している事業者が同事業を継続した場合、事業再構築補助金の支給対象となりません。

現在シェアハウス事業を運営している事業者が事業再構築補助金を受けるためには、「事業再構築」とみなされる事業を実施することが必要です。

単なる不動産賃貸業に分類されるシェアハウス事業ではなく、貸別荘やコンドミニアムなどの観光事業という側面が強い宿泊施設の運営などが該当するでしょう。

まとめ

記事では、事業再構築補助金を利用して、シェアハウス事業を開始する時の対象となる経費や補助金利用の注意点などを解説しました。

シェアハウスは空室リスクの低さや収益性の高さが魅力的です。

事業再構築補助金を利用すれば、自己負担額を少なくして、収益性の高いシェアハウス事業を開始できます。

ただし、住宅の取得費用やリフォーム費用などは経費の対象となる一方で、土地の取得費用や家具等の購入費用は対象外の経費となることに注意が必要です。

支給対象外の経費を可能な限り抑えながら、付加価値の高いシェアハウス事業を開始することで、事業再構築補助金を利用して、素晴らしいスタートを切ることができるでしょう。

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