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資産管理会社を現物出資で設立するメリットとは?手続きも解説

資産管理会社の設立方法

資産管理会社とは、不動産や株式等の有価証券を保有する資産家の資産を管理・運用するための会社です。

通常の会社と異なり、営業活動を行いません。

また、特殊な場合を除いて、株式の発行・金融機関からの資金調達は行いません。

ただし、会社であるので、設立の手続きや諸契約については通常の会社と同様です。

この資産管理会社を設立する時には、通常は事業会社と同様に現金を出資することで、その対価として会社の株式を取得します。

しかし、設立方法には、資産家が資産管理会社に不動産を現物出資して、不動産を移管し、それと交換で株式を取得する方法もあります。

資産管理会社の設立では、このような現物出資という方法が採られることがあります。

不動産の現物出資による資産管理会社の設立

通常、会社を設立する時には現金を出資します。

株式会社の設立時には現金の対価として、会社の株式を出資者に交付し、出資者は株主となります。

しかし、会社の設立時には現金以外にも不動産などの事業用資産を出資することができます。

これを現物出資といい、手元に多額の資金がなくても会社を設立できる方法です。

現物出資の場合には、事業用資産を出資したときの時価で受け入れます。

現物出資では、1円以上の資本金で会社を設立することが可能です。

後述しますが、現物出資による資産管理会社設立のメリットは利益の圧縮とそれによる節税効果です。

この場合、購入費用が大きいほど節税効果を感じることができるので、貸別荘がおすすめです。

資産保全の効果が強く、既に別荘を持っている人であれば簡単に始めることができます。

現物出資で資産管理会社を設立するメリット

会社の設立方法として、最も一般的なものは現金を出資する方法です。

それでは、現金ではなく、不動産を出資することで、資産管理会社を設立することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

現物出資で資産管理会社を設立するメリットについて見ていきましょう。

 

税金対策

不動産を現物出資して、会社を設立し、会社に所有権が移転すると、減価償却費として経費処理ができます。

減価償却とは、資産の購入費用を法定耐用年数に応じて、費用として算出する会計上の手続きです。

不動産は他の事業用資産と比較して、資産の購入費用が大きいので、減価償却によって、購入費用を経費に算入すると利益の圧縮効果が高くなります。

利益が圧縮されることで、課税される税金の額が減少しますので、現物出資には節税効果があるといえます。

 

資本金を増やせる

会社の資本金の金額は対外的な信頼を獲得するための指標となります。

資産管理会社は営業活動を行いませんが、建物の修繕費や建設のために金融機関から借り入れをすることがあるかもしれません。

現物出資では、出資した事業用資産の価値に応じて、現金を用意することなく、資本金を増やすことができます。

不動産は他の事業用資産と比較して、価値が大きいので、資産管理会社の資本金を増やす効果が大きくなります。

 

発起人になれる

通常、会社を設立するときには現金を出資することで、会社の株式の交付を受けます。

したがって、資産管理会社といっても手元に一定の現金を用意する必要があります。

しかし、現物出資であれば、現金がなくても、不動産を移転することで資産管理会社の発起人となることができます。

つまり、手元に現金が不足している状態で自身の不動産を管理する資産管理会社を設立したい場合には、現物出資は有効な方法といえます。

現物出資で資産管理会社を設立するデメリット

手元に現金がなくても不動産を移管することで資産管理会社を設立できる現物出資は便利な設立方法です。

しかし、現物出資による設立にはデメリットもあります。

デメリットを理解したうえで、設立を検討しましょう。

 

資本金のかさ上げ

現金が手元になくても設立できることの裏返しですが、現物出資では出資する事業用資産の価値だけ資本金をかさ上げしている状態です。

不動産の場合には価値が大きいので、決算書上の資本金の金額は大きくても実際の現金が少ないという状態が続きます。

資産管理会社は営業活動を行いませんので、多額の現金は必要ありませんが、建物の修繕や建設にあたっての借り入れの時に現金が全くないと返済能力に疑義が持たれます。

 

手続きが煩雑

現物出資は現金による出資よりも手続きが多くなります。

現物出資で必要になる手続き

  • 所有権移転登記
  • 会社の定款に現物出資の内容について記載する
  • 現物出資の価額の適正について取締役が調査する
  • 財産の引継ぎについて報告書を作成する

 

所有権移転登記については、資産管理会社である限り発生するものですが、そのほかの手続きは現物出資である為に追加で発生する手続きとなります。

これらの手続きを完了するまでに現金出資よりも多くの時間を要します。

 

譲渡益分の課税が発生する

現物出資による会社設立の場合、税法上は「不動産を時価で売却し、売却代金を出資したもの」として処理します。

したがって、資産家個人に譲渡益が発生したものとみなされ、譲渡益に課税されます。

不動産の場合、売却代金が大きくなりますので、課税額も多額になります。

税金を低く抑えるために、時価よりも低い価額で譲渡しても、時価で譲渡したものとみなされ、その分課税されます。

手元に資金がない為に選択される現物出資ですが、事前に納税資金を用意する必要があります。

現物出資で資産管理会社を設立する流れ

現物出資によって、資産管理会社を設立する方法について解説します。

現物出資による設立方法は現金による出資とは異なります。

また、現物出資の金額が500万円を超過すると追加の手続きが必要になります。

不動産の場合は現物出資の金額が500万円を超過すると考えられますので、他の事業用資産による現物出資とも異なる手続きとなります。

 

検査役の選任

現物出資の額が500万円を超過する場合には、裁判所に検査役の選任を申し立てる必要があります。

検査役は、現物出資の評価額と資本金の金額が適正であるかを調査します。

選任は裁判所が行い、通常、弁護士や公認会計士が選任されます。

検査役による検査には多額の費用と数か月の時間を要します。

これらの手間を避けたい場合には、現物出資を避けるのが賢明でしょう。

 

不動産の時価評価

検査役が出資する不動産の時価を評価します。

通常は自社の取締役が行いますが、先述のように現物出資の額が500万円を超過する場合には検査役となります。

評価対象は購入時価格ではなく、時価である点に注意しましょう。

これによって自分が想定している価格と上下することがあります。

検査役による時価の評価には数十万円の費用と数か月の時間を要します。

これらの手間を避けるために、不動産以外の事業用資産を現物出資する場合には500万円を超過しないように調整するのが一般的です。

 

定款へ必要事項を記載

定款とは、会社の商号や目的、規則などが記載されたルールブックのようなものです。

定款には、現物出資の事実と内容を記載します。

 

定款に記載する必要事項

  • 現物出資をする人の氏名
  • 現物出資をする人の住所
  • 現物出資をする資産
  • 現物出資をする資産の価額
  • 出資者に交付される株式数

これらの事実について漏れがないように記載します。

各種必要書類を作成

各種必要書類とは、以下の3点です。

  • 調査報告書
  • 財産引継書
  • 資本金の額の計上に関する証明書

調査報告書とは、検査役が現物出資する不動産の価額が適正であることを調査し、結果が妥当であることを報告する書類です。

財産引継書とは、発起人が不動産を会社に納め、その対価として株式を交付されたことを示す書類です。

資本金の額の計上に関する証明書とは、資本金の額が適法に計算されていることを示す書類です。

以上の3点の書類を登記申請書に添付して、所管の法務局に提出します。

まとめ

手元に現金がなくても会社を設立できる現物出資は資産管理会社の設立にも採用される方法です。

資産家個人から資産管理会社への不動産の移管と出資を同時に行なうことができるので、便利な方法です。

しかし、現物出資では、煩雑な手続きや納税資金が必要になるなどデメリットもありますので、デメリットや注意点を理解した上で検討しましょう。

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また、資産管理会社については下記もご参考に読んでみてください。

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