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ホテル運営に携わるなら要チェック!運営・収益の実績を把握する方法・指標について解説

コロナ禍の長期化により多くの業界が影響を受けていますが、宿泊業界・ホテル業界は特にダメージの大きな業界。収益を上げて事業を存続させていくには、これまで以上にシビアな運営・経営が求められます。そこで重要となるのが、ホテルの運営実績の正確な把握と的確な施策の実施。

当記事では、ホテル運営における実績把握の重要性・必要性、ホテル業界で用いられている各指標、運営や経営の効率化におすすめのシステムについて解説していきます。

ホテルの収益向上・経営改善を行うには実績の把握が重要!

ホテル業界に限らず、宿泊サービス業は運営状況・運営実績を数字で正確に把握して、今後の経営計画や戦略立案に活かしていくことが非常に重要です。

ホテル運営では、数値で細かく状況を把握することで、具体的には以下のような打ち手に繋げて行きます。

・ムリ・ムダ・ムラの解消

製造業で一般的に用いられている概念ですが、ホテル業界においても有効。即効性があるためまずはこちらの改善施策を優先的に実施していくことがおすすめ。

・改善点の把握

数値で状況を把握することにより、ホテル運営において改善すべき点や注力すべき点を明確化。根拠のある的確な施策に繋げることが可能。

・実施した戦略や施策の評価

収益を伸ばすために実施した戦略や施策のビフォー・アフターをチェックすることで、これらがどの程度有効であったかを評価。今後に役立てることができる。

このような施策は、売上や客数の推移を確認しているだけでは実施することができません。ロジカルな戦略・施策を実施してホテルの収益を伸ばしていくためにも、より細かい数値の把握が必要となってきます。

続いて以下に、ホテル運営の実績を把握するための指標について解説していきます。

ホテルの収益実績を把握するために欠かせない指標

ホテル業界では、運営状況・運営実績を把握・評価するために、以下のようなホテル業界特有の指標を用います。

・ADR(客室平均単価)

・OCC(稼働率)

・RevPAR

いずれもホテル運営には欠かせない重要な指標となるため、それぞれの指標の概要・意味・用途・算出方法を理解しておくことがポイント。

以降でそれぞれの指標について詳しく解説していきます。

ADR(客室平均単価)とは?

概要

ADR(客室平均単価)とは、Average Daily Rateの頭文字を取ったワードで、顧客に販売した客室の平均価格のことです。Daily Rateと記載する通り、金額の算出は1日単位で行われます。

ADRが高いほど収益性の高いホテル運営が可能となるため、実績・業績を判断するための重要な指針となります。

重要性

ADRが重要である理由は、ホテルの経営状況を把握するだけでなく、宿泊料金を設定する際の指針となるためです。

ホテル運営においては、価格が高すぎると販売効率が下がり、反対に安すぎると利益率が下がるため、相場を加味した適切なプライシングを行うことが重要なポイント。ADRを細かく把握しておけば、相場から大きく外れることのない適切かつ妥当な宿泊料金を設定することができます。

算出方法

ADRは、以下の計算式で算出することができます。

ADR(客室平均単価)=売上合計金額÷販売した客室数

例えば、売上合計が200万円、販売した客室数が100室である場合のADRは、以下の値となります。

200(万円)÷100(室)=2(万円)

こちらのホテルで販売可能な客室には、2万円の価値があると評価することができます。

OCC(客室稼働率)

概要

OCCとは、ホテルの客室稼働率を示す指標のことです。ホテル全体の客室がどの程度稼働しているかを評価する指標となるため、ホテルの経営状況の把握だけでなく、ホテルの人気度を証明する実績として広告やCMなどでも多く用いられます。

重要性

OCCが重要である理由は、ホテルの稼働状況を把握すると同時に、収益拡大を考えるにあたって欠かせない指標であるためです。

ホテルの収益を上げていくには、客室単価と同時に客室稼働率を上げていくことが重要なポイント。しかし、闇雲に稼働率を上げれば良いという単純な話ではありません。宿泊料金を下げれば稼働率は上がりますが、反対に宿泊料金を上げれば稼働率は下がってしまうため、両者のバランスを取ることが重要。

適切なラインを判断してホテルが収益を上げていくためにも、ADRとOCCという指標を用いて判断を行っていく必要があります。

算出方法

OCCは、以下の計算式で算出することができます。

OCC(客室稼働率)=販売した客室数÷全客室数

例えば、全200室・実際に販売した客室数が100室であるホテルの場合だと、以下の値となります。

100(室)÷200(室)=0.5(50%)

このホテルの稼働率は50%であると評価されます。

RevPAR

概要

RevPER(レブパー)とは、「Revenue Per Available Room」を省略したワードで、販売可能な全客室の平均単価のことです。

ADRが実際に販売した客室平均単価であるのに対し、RevPERは空室も含めた全ての客室の平均単価を示しているのが大きな特徴となります。

重要性

RevPERが重要である理由は、売れていない客室も含めた全客室の単価を把握するためです。

ホテルの収益を最大化するには、全客室を適正価格で稼働させる必要がありますが、先にご紹介した通りADRとOCCは相対的な関係にあるため、同時に高めていくことはできません。

そこで重要となってくるのが、現実的な適正価格を導き出すことです。空室を加味した値であるRepPERを用いることで、全客室の稼働が見込める適正価格を算出することができます。

算出方法

RevPERを算出するには、以下2つの方法があります。

  • RevPER=売上合計金額÷全客室数
  • RevPER=ADR(客室平均単価)×OCC(客室稼働率)

例えば、全客室数が200室・単価1万円・販売客室数100室のホテルの場合だと、以下のような計算方法となります。

■①の方法で計算する場合

売上合計は1万円×100室で100万円となるため、

RevPER=100(万円)÷200(室)=5,000(円)

■②の方法で計算する場合

ADR=1万円

OCC=100÷200=0.5(50%)

となるため、

RevPER=1(万円)×0.5=5,000(円)

どちらの方法で計算を行っても、同じ算出結果となります。

つまり、この例のホテルは一部屋5,000円で販売すれば完売ならびに最大収益が期待できると判断することができます。

ホテルの収益実績を経営に活かすにはPMS・RMSが必須

ホテルの運営実績の把握や運営改善・経営改善を的確かつ効率的に行うには、以下のようなホテル業界向けのシステムを活用することが必須です。

・PMS(Property Management System)

ホテル管理システム。あらゆる情報を一元化することで、予約管理・顧客管理・客室管理・売上管理・データ分析といったホテル業務の効率化・パフォーマンス向上を図ることが可能。

・RMS(レベニューマネジメントシステム)

レベニューマネジメントとは、適切な顧客に適切な価格・適切なタイミングで適切なサービスを提供するプロセスのこと。レベニューマネジメントシステムとは、これらのプロセスを管理して、売上・利益の最大化を図るためのシステム。

PMSと連携させてデータを取得することで、データの集計や各指標の算出を自動で行うことが可能。

ホテル運営において実績を上げていくためにも、パフォーマンスに優れたシステムを導入するのがおすすめ。業務リソースやコストの削減も期待できるため、コロナ過によりシビアなホテル運営・経営が求められる現代においては、システムを徹底的に活用していくことがポイントとなります。

まとめ

ホテル運営における収益・実績を把握する重要性・必要性から、業界で用いられている指標についてお伝えしてきました。

ホテル運営で業績を伸ばすには、他の業界・業種と同じように数値に基づいたロジカルなマーケティング施策・販売施策・運営改善を実施していくことが重要。各指標を駆使して実績の把握を行い、根拠のある施策を打ち出していくことで、より大きな成果が期待できます。

他の宿泊施設においても実績の数値管理は非常に重要。貸別荘・ゲストハウスの実績把握・運営改善等で課題を抱えている方は、ぜひ同施設の総合的なコンサルティング・サポートを行っている弊社にご相談下さい。

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